©2017 WOWOW/テレパック
「白夜行」や「ガリレオ」シリーズなど、数々の名作を世に送り出してきた小説家・東野圭吾。
その魅力は、単なるトリックのおもしろさにとどまらず、人間の心の奥底にある葛藤や社会の理不尽さを深く穿つ「人間ドラマ」にある。
なかでも、ジェンダーやアイデンティティという重厚なテーマに切り込んだ異色作「片想い」を映像化した、WOWOW「連続ドラマW」は、東野作品の映像化史においても際立った輝きを放っている印象だ。
©2017 WOWOW/テレパック
物語は、東野圭吾による"ジェンダー"を題材とした傑作ミステリー。とある理由で再び集まった元アメフト部の同窓生たちは、次々と苦悩に満ちた事実に直面すると言った物語だ。
本作を語る上で、欠かせない存在といえば、やはり主演・中谷美紀の存在である。
中谷が演じたのは、性同一性障害の女性・日浦美月という役どころ。2017年夏、大学時代ともに汗を流したアメリカンフットボール部の仲間たちが同窓会の帰り道、部員の前に現れた元女子マネージャー・美月が「オレは、人を殺した」「今、オレは・・・男として生きている」と衝撃の告白をする。最初はその言葉に困惑するも、仲間たちが事件の真相を追い求めていくといった物語だ。
この難役に挑むにあたり、中谷は髪を15センチ以上カットし、役作りのためにハードな筋力トレーニングに励むなど、見た目を磨き上げる。しかし、それについて中谷は「まずは、男らしさを追及しつつも、美月の台詞にもある『どんなにあがいても本物にはなれない』という悲哀を表現できたらと思います」と告白。
ふとした立ち姿、背中で語る悲哀、低く落ち着いた声の抑揚、そして揺れ動く視線......美月という人間を通して、彼女の葛藤を身を持って表現。その姿は、まるで美月という存在の痛みをともに背負っているかのようにも見えたのは筆者だけではないことだろう。











