市原隼人蒼井優の映画デビュー作...思春期の輝きと残酷さを描いた「リリイ・シュシュのすべて」

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市原隼人と蒼井優が思春期の葛藤と孤独を体現「リリイ・シュシュのすべて」
市原隼人と蒼井優が思春期の葛藤と孤独を体現「リリイ・シュシュのすべて」

©LILY CHOU-CHOU PARTNERS

本作を語るうえで欠かせないのが、その独特な成り立ちだ。岩井監督がインターネット上でBBS(電子掲示板システム)を利用して、小説「リリイ・シュシュのすべて」の連載を開始。掲示板への書き込みなどを取り入れながら物語を展開し、その世界を自ら映画化した。また、劇中に登場するリリイ・シュシュは、当時新人だった歌手のSalyuが務め、さらに、音楽家・小林武史がプロデュースを担当した。映画の公開と連動する形で、Lily Chou-Chou(リリイ・シュシュ)名義のオリジナルアルバム「呼吸」もリリースされた。

さらに、当時最新鋭の映像機材であったデジタルビデオカメラを全面的に導入するなど、撮影技法にもこだわりが見られる。栃木県足利市を中心とした地方都市の田園風景や物語に登場する少年少女たちの現実が、デジタル映像特有の質感で映し出されているのも注目ポイントだ。

「リリイ・シュシュのすべて」
「リリイ・シュシュのすべて」

©LILY CHOU-CHOU PARTNERS

主人公やヒロインの脇を固めるキャスト陣も、本作の大きな見どころだ。蓮見のかつての親友であり、ある出来事をきっかけに優等生からいじめの主導者となる星野修介役には、忍成修吾を起用。思春期の無邪気さと残酷さを体現した演技は、観る者に強烈なインパクトを与えた。

また、蓮見と同じくリリイ・シュシュの熱狂的なファンで、クラス内で独特の存在感を放つ女子生徒・久野陽子を伊藤歩が演じる。さらに、大沢たかおや市川実和子ら実力派俳優も出演し、思春期の少年少女を取り巻く大人たちを演じている。本作は2002年の第52回ベルリン国際映画祭でパノラマ部門国際アート・シアター連盟賞を受賞するなど、海外でも高い評価を受けた。

思春期という限られた時間の中で、友情、孤独、暴力、憧れといった現実に流されながらも、そこから逃れるための居場所を求める少年少女たち。岩井俊二監督と小林武史が織りなす世界観とともに、現在も第一線で活躍する市原隼人と蒼井優の原点とも言える作品を、この機会に改めて見届けたい。

文=HOMINIS編集部

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