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当時25歳だった河合が演じるのは、東京で働くOL・矢木明日美。近藤正臣演じる刑事の父・矢木耕介と親子コンビを組み、南紀白浜を舞台に起きた事件の真相を追っていく。アイドルとして知られた河合奈保子とはひと味違う表情にも注目したい作品だ。
東京で働く好奇心旺盛なOL・矢木明日美。ベテラン刑事である父・耕介(近藤正臣)のお見合いに付き添うため、南紀白浜を訪れるところから物語が始まる。お見合いの場となったホテルで、ひとりの男性が苦しみ出し、そのまま亡くなってしまう。事件の裏には、死亡した男性と明日美の高校時代の先輩・池田章子(中島はるみ)との関係も浮かび上がり、明日美は父とともに真相を追うことになる。
■快活な明日美を生き生きと演じる河合奈保子
1989年4月の放送当時、河合奈保子は25歳。歌手として活動する一方、これまでにもテレビドラマなどに出演しており、俳優としても存在感を見せていた時期にあたる。
明日美は、事件に遭遇すると自ら疑問を持ち、気になることがあれば積極的に動くタイプ。父・耕介のお見合いに付き添う娘としての世話焼きな一面を見せる一方、事件となれば真剣な表情で謎に向き合っていく。その切り替えを、河合は快活なリアクションを交えながら演じている。
■"窓際刑事"近藤正臣との父娘コンビにも注目
そんな明日美と対になる父・耕介を演じるのが近藤正臣だ。1960年代から俳優として活動する近藤正臣は、青春ドラマ「柔道一直線」で注目を集め、その後も時代劇や現代劇など幅広い作品に出演。大河ドラマ「龍馬伝」や連続テレビ小説「カーネーション」などでも知られる実力派だ。
耕介は「一度も犯人を逮捕したことがない」という"窓際刑事"で、一見すると娘の明日美に振り回されているようにも見える。しかし、事件が進むにつれて、その印象は少しずつ変わっていく。捜査が一つの方向へ進んでいくなかでも、耕介は別の可能性に目を向け、事件を冷静に見つめていく。
長年刑事を務めてきた人物らしい勘の鋭さをのぞかせる。さらに印象的なのが、手柄や出世に執着せず、飄々とした態度を崩さないところだ。そんな耕介の姿からは、彼なりの刑事としてのスタンスが感じられる。
■ミステリーとホームドラマの心地よいバランス
父親でありながら、明日美から「耕介さん」と名前で呼ばれる耕介。そんな呼び方にも表れているように、2人の間には気の置けない相棒のような距離感がある。事件となれば勢いよく動き出す明日美と、飄々としながら要所では鋭さをのぞかせる耕介。対照的な2人だからこそ、事件を追う場面にもコミカルなやり取りが生まれ、作品全体にはどこか軽やかな空気が漂っている。
さらには、南紀白浜の情緒あふれる風景と、特急「くろしお」をめぐるトリックなど、鉄道にまつわる要素も絡み合いながら事件が展開していくのも本作ならではの面白さだ。河合の明るく爽やかな存在、そして近藤の力の抜けた大人の芝居。2人の対比や父娘の軽妙な掛け合いと併せて、ぜひ事件の行方を楽しみたい。
文=HOMINIS編集部











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