今年1~3月に放送された石原さとみ主演のドラマ「アンナチュラル」が大変なことになっている。第96回ドラマアカデミー賞で最優秀作品賞、主演女優賞など計6部門、第44回放送文化基金賞ではテレビドラマ部門の最優秀賞と、立て続けに賞を受賞しているのだ。
「アンナチュラル」は「不自然死究明研究所」を舞台に、石原演じる法医解剖医・三澄ミコトや仲間たちが不自然な死の謎を次々に解明していくドラマ。人物を陰影深く描く野木亜紀子の脚本はもちろん、主演の石原の演技も光っていた。
主人公の三澄ミコトは無理心中で家族を失った過去を持ち、殺人に対し他の人と微妙に異なる反応を示す。そんな主人公の内面までも演技で伝え、多くの人を夢中にさせた女優・石原さとみにスポットを当ててみよう。
石原は2002年、第27回ホリプロタレントスカウトキャラバン 「ピュアガール2002」でグランプリを受賞。翌年には映画『わたしのグランパ』に出演、いじめられっ子のヒロイン・伍代珠子役で銀幕デビューを飾った。この『わたしのグランパ』で、石原は第28回報知映画賞最優秀新人賞、第16回日刊スポーツ映画大賞新人賞、第27回日本アカデミー賞新人俳優賞ほか、計6つの新人賞を受賞する。デビュー直後に、早くも女優としての才能が認められたわけだ。
石原はその後、映画に、テレビに、舞台にと大活躍する。2003年にNHKの連続小説「てるてる家族」で、活発でおっちょこちょいな娘役・岩田冬子を演じたかと思えば、2005年には大河ドラマ「義経」で思いを秘めたヒロイン・静御前を演じた。2012年にはホラー映画『貞子3D』で主演、どんな役もこなす女優へと成長していく。
役の幅広さ、持ち前の可愛らしさ、彼女の魅力はいろいろあるが、注目したいのはやはり演技力だ。大河ドラマ「義経」で静御前が舞うシーンは、多くの人々を画面にくぎ付けにした。2014年のドラマ「失恋ショコラティエ」では、小悪魔系キャラで男性のみならず、女性をも虜にした。
その演技力の裏には、実は絶え間ない努力がある。2015年の映画『進撃の巨人』では、アニメ版の声優に電話をかけて指導してもらうほどだったという。それだけの熱意と努力があるから、石原は女優として成長し続けているのだろう。
石原の演技は「アンナチュラル」でも話題となり、各メディアが三澄ミコトを演じた彼女を取り上げていたことは記憶に新しい。ドラマ「アンナチュラル」は7月29日(日)に全話一挙放送される。第96回ドラマアカデミー賞で主演女優賞に輝いた女優・石原の実力を、心ゆくまで味わってほしい。
文=堀慎二郎
放送情報
アンナチュラル
放送日時:2018年7月29日(日)10:00~
チャンネル:TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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