荒木宏文が舞台『ACCA13区監察課』で美しくタバコをくゆらせる

オノ・ナツメの人気マンガを原作としたTVアニメ「ACCA13区監察課」を、実力派キャストで舞台化。描かれるのは13の自治区に分けられたドーワー王国を守る、巨大統一組織「ACCA(アッカ)」で起こった事件。100年ほど前に起こったクーデターから誕生した民間組織であるACCAは、今日も国民の平和な生活を守り続けている。しかし、その水面下では人知れず1つの思惑がうごめいていた。

(C)オノ・ナツメ/SQUARE ENIX・ACCA製作委員会 (C)舞台ACCA製作委員会

「もらいタバコのジーン」の異名を持つ、主人公のジーン・オータスを演じるのは荒木宏文。食パン好きで、ACCA本部の監察課副課長にして組織きっての食えない男として知られる彼は、今日もタバコをくゆらせながら13区の視察へと出掛ける。荒木の言葉少なく、くわえタバコでたたずむシルエットがとにかく美しい。そして、ジーンの友人でチョコレートをこよなく愛するフリーの記者、ニーノを演じるのは丘山晴己。荒木と共に30代の実力派俳優として知られ、ミュージカル『刀剣乱舞』など人気舞台で活躍する2人が、淡々と思わせぶりな台詞を交わす姿は、リズミカルにさえ感じられる。

(C)オノ・ナツメ/SQUARE ENIX・ACCA製作委員会 (C)舞台ACCA製作委員会

脇を固める俳優陣も実力派が集う。ジーンの上司にしてACCA本部本部長、モーヴを演じるのは元宝塚男役の蓮城まこと。凛々しい制服姿から一転、つややかな髪をなびかせ真っ白なパーティドレスで美声を披露し客席を魅了する。ACCAのトップである5長官、グロッシュラー役の鈴木省吾は、寡黙でありながら秘めた熱い想いを繊細に表現し、リーリウム役の今村ねずみは、ほとばしる己の感情を内に留めてしなやかに舞う。同じく長官のスペード役に平川和宏、パスティス役に鷲尾昇、パイン役に伊藤明賢、さらに監査課課長のオウル役に川本成と、ナイスミドルな俳優陣が肩を並べる。もちろん若手俳優も負けてはいない。ドーワー家、唯一の王位継承権を持つ「馬鹿王子」ことシュヴァーン役の山崎晶吾(※「崎」は正しくは「立さき」)が見せる傲慢で勝ち気なふるまいに対し、端正な顔立ちを褒められながらも生真面目に応じる近衛兵のマギー役の北川尚弥との微笑ましい掛け合いも忠実に再現されるなど、原作ファンも納得の出来栄えに違いない。

(C)オノ・ナツメ/SQUARE ENIX・ACCA製作委員会 (C)舞台ACCA製作委員会

演劇ならではの演出にも注目。13自治区それぞれのACCAの制服が飾られた円形のステージは、ジーンが訪れる区に合わせて、さまざまな空間へと変わっていき、まるでロードムービーのようだ。やがて明かされるジーンの過去とニーノとの関係、そのジーンを巡る不穏な空気、それらの動向を見つめる何者かの瞳と、タバコと食パンと平和をこよなく愛するジーンの日常はいつしか陰謀に巻き込まれていく。そんな伏線が張り巡らされたストーリーと、成熟した役者たちの細やかな演技が光る本作を、心ゆくまで堪能してほしい。

文=おーちようこ

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放送情報

舞台『ACCA13区監察課』

放送日時: 2018年8月12日(日)01:00~

チャンネル: 衛星劇場

※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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