【タカラヅカ】月組・愛希れいか演じるジャンヌ・ダルクが現代に!娘役17年ぶり主演「愛聖女-Sainte♡d'Amour-」

2018年秋に退団した、当時の月組トップ娘役・愛希れいか(まなきれいか)が主演を務めた「愛聖女-Sainte♡d'Amour-」。娘役が主演の作品は、2001年の月影瞳の「Over The Moon」以来17年ぶりで、男役が主演を務めることが慣例となっているタカラヅカでは珍しいケースであり、人気と実力を兼ね備えた愛希ならではの快挙だ。

物語は「あのジャンヌ・ダルクが21世紀にタイムスリップしてきたら?」という奇想天外なものになっている。舞台はフランス。オルレアン工科大学では、人類初のタイムマシンの開発を目指して日夜研究が重ねられていた。ある日、太陽フレア(爆発)の影響で、中世フランスの英雄ジャンヌ・ダルク(愛希)が現代に現れる。彼女は言われなき罪で火刑に処せられようとしていた、まさにその時にタイムスリップしてきたのだ。現代でもジャンヌは思いもよらない事件に巻き込まれるが、悪事を暴き正義を守るため大活躍してしまう。そして、ジャンヌもまた現代に生きる人々から、愛と勇気をもらうのだった。

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

主演の愛希は最初、男役だった。だが、入団3年目の2011年に娘役に転向し、翌年には月組トップ娘役に就任。以降7年にわたって龍真咲、珠城りょう、2代のトップスターの相手役を務めた。ただ寄り添うだけではない、男役と対峙できる強さと存在感のあるトップ娘役だった。とりわけフレンチミュージカル「1789-バスティーユの恋人たち-」(2015年)のマリー・アントワネット役では、恋に落ちるのではなく対立するという、新たなトップコンビの関係性を見せた。また、ルイ14世役での男装姿が評判となった「『All for One』~ダルタニアンと太陽王~」(2017年)も、男役の経験がある愛希ならではの作品だったといえるだろう。

退団公演となった「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」(2018年)では、タイトルロールのエリザベート役でトップ娘役としての集大成を見せた。そして2019年、退団後の初舞台として東宝版「エリザベート」でも同じエリザベート役を演じる。卒業後のミュージカル界での活躍が期待される存在だ。ダンサーとしても定評があり、ショーでも数々の名場面を印象に残した。特に「GOLDEN JAZZ」(2015年~2016年)のアフリカンダンスの場面での、野性味あふれる踊りは圧巻だった。

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

「愛聖女」は、そんな独自の経歴を持つ愛希ならではの作品だ。お茶目でキュート、しかし真っすぐで健気なジャンヌは、まさに愛希そのもの。彼女だから着こなせる斬新な衣装の数々にも注目だ。現代の世界でジャンヌの親友となるパメラ(天紫珠李)、「オルレアンの少女コンテスト」での優勝に執着するクララ(晴音アキ)、行方知れずの母との再会のため歌手を目指すアマンド(結愛かれん)、ジャンヌと入れ違いに中世にタイムスリップしてしまうドクター・ジャンヌ(白雪さち花)など、娘役に個性的なキャラクターが多いのも見どころだ。この作品でタカラヅカの娘役の魅力とパワーを再発見してほしい。

文=中本千晶

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放送情報

『愛聖女-Sainte♡d’Amour-』('18年月組・バウ・千秋楽)
放送日時:2019年2月17日(日)21:00~
チャンネル:TAKARAZUKA SKY STAGE
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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