「天は二物を与えず」と言うが、ならば天に愛されたのか、それとも天をも超えたのか──。
しみじみとこんなことを考えさせられるほど、その多才な活躍ぶりに圧倒されるディーン・フジオカ。いまや彼の姿を目にすると、条件反射で、すっと背筋が伸びるようになった。彼のあの凛とした眼差しと品格のある佇まいが思わずそうさせるのだ。近年は、俳優としての活動のみならず、ミュージシャンとしても、報道番組のインフルエンサーとしても、その手腕を発揮している。
■人生のドキュメントともいえるディーン・フジオカの音楽
ミュージシャンとしての近年の飛躍ぶりは目ざましい。今年1月に2ndアルバム『History In The Making』をリリース。ロック、ポップ、ヒップホップ、エレクトロなど、あらゆるジャンルをオリジナリティに昇華した楽曲と、日本語・英語・中国語を操る語学力を活かした歌詞は、幅広い層の心に響き、今年2月から5月にわたり開催した初のアジアツアーでは各国を席巻した。
作詞・作曲・プロデュースとすべてを一手にできる音楽は、彼にとってビジョンを具現化する場所であり、彼の人生のドキュメントであるとも言える。音楽の中でのディーンは、とてもシンプルでナチュラルでフリーダムであり、とても繊細でダイナミックである。ぜひ機会があれば彼の生のステージを体感してみてほしい。
また、彼が新たな一面を見せたのは、報道番組「サタデーステーション」でのインフルエンサーとしての出演だ。海外生活の経験も活かし、ワールドワイドな視点と真摯な言葉で現代社会を斬る様子は痛快だ。語学力を活かし、外国人旅行者にも生きた言葉でインタビューに挑む姿も印象的だ。
■焔の錬金術師 ロイ・マスタング大佐
もちろん、俳優としても熱い注目を集める。映画『空飛ぶタイヤ』では第42回日本アカデミー賞優秀助演男優賞に輝き、確固たる地位を確立した。
そんなディーンが2017年に出演した映画「鋼の錬金術師」が、7月20日(土)チャンネルNECOで放送される。本作は実写化が難しいと言われていた大人気コミック「鋼の錬金術師」の実写映画化作品。
ディーンの役どころは、主人公エルリック兄弟が暮らすアメストリス国の国軍東方司令部に勤めるエリート将校、ロイ・マスタング大佐。飄々と職務を全うする中で、時折見せる仲間を想う情の厚さや、愚直なまでに正義を追求する熱い姿に釘付けになる。
ダークファンタジーの世界の中で描かれるサスペンスタッチな人間ドラマや、CGを駆使したド派手なアクションシーン、そして「焔」の錬金術を操るロイ大佐を演じるディーンにご注目いただきたい。
文=大窪由香
放送情報
鋼の錬金術師
放送日時:7月20日(土)18:40~
チャンネル:映画・チャンネルNECO
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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