草彅剛の無精ひげ姿が不思議と色っぽい!自然体で挑んだ父親役の新境地

『まく子』
『まく子』

(C)2019「まく子」製作委員会/西加奈子(福音館書店)

ストイックな役作りと確かな演技力で、俳優としても高く評価されている草彅剛。年齢を重ねた今だからこその渋味を身にまとい、さらなる新境地を開拓したのが、5月6日(水)にWOWOWシネマで放送される映画『まく子』(2019年)だ。

劇場公開時には多くのリピーターが劇場に押し寄せたという『まく子』は、西加奈子の同名小説を映画化したヒューマンドラマ。ひなびた温泉街にたたずむ旅館の息子で、家族との確執と心にどこか違和感を抱える小学5年生のサトシが、謎めいた転入生のコズエと出会い成長していく様子が、繊細な心の揺れ動きと共に丁寧に描写される。

■役への理解度を深め、ナチュラルに体現した"ダメ男"

子どもの成長を軸に、不器用な人間たちの日常を優しく包み込むように描いた本作で、草彅が演じているのは、サトシの父親で旅館では料理長を務める光一。家族を愛していながらも自由人で、自他共に認める女好きだ。

このチャーミングな人たらしを演じるにあたり、奔放な人間ならではの色気と無邪気さを同居させた絶妙な演技を披露。ふとした時に見せる、屈託のない微笑みや紫煙をくゆらせる際のけだるそうな表情も、何とも言えない説得力をもたらしている。また、自ら無精ひげを生やすことを監督に提案したり、自分の"素"の部分をキャラクターに反映したりと、役への理解も深く、どこまでもナチュラルな演技が光っているのだ。

■深い愛情と優しい眼差しで表現した良き父親像

日頃の素行の悪さから、サトシからも呆れられている光一だが、息子の成長を深い愛情とともに見守っており、そんな良き父親像を草彅は優しい眼差しで好演。コズエとの関係性を冗談めかして茶化したりというフレンドリーな一面もあり、ごくごく平凡で人情味のある父親という、新たな境地へと足を踏み入れている。

(C)2019「まく子」製作委員会/西加奈子(福音館書店)

これまでは逆境に真正面から立ち向かう正義のヒーローのような役柄が多かった草彅だが、「新しい地図」で新たなスタートを切ってからは、映画や舞台で刺激的な役どころに次々にチャレンジし、これまで以上に積極的に俳優業に取り組んでいる印象がある。これからも人生を積み重ねていくにつれ、役の幅を広げ、今まで見せたことのない演技で新鮮な驚きを与えてくれるのでは...?そんな期待を抱かせてくれる稀有な存在だ。

文=HOMINIS編集部

この記事の全ての画像を見る

放送情報

まく子
放送日時:2020年5月6(水)19:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

関連記事

記事の画像

記事に関するワード

関連人物