佐野勇斗本郷奏多が不可解な行方不明事件を紐解く青春サスペンス

佐野勇斗と本郷奏多のW主演で映画化された『凜-りん-』は村の高校に通う男子たちが主人公。古くから語り継がれてきたミステリアスな事件をモチーフにストーリーが展開していく青春サスペンスだ。原作は又吉直樹。「火花」で2015年に第153回芥川龍之介賞を受賞する8年前の2007年に初めて書き下ろし、神保町・花月で上演された戯曲がベースとなった映画で、ドラマ「ウロボロス〜この愛こそ正義。」、「小さな巨人」の演出を手がけた池田克彦がメガホンをとった。

主演はドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」や映画『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル』など話題作に次々に出演している佐野勇斗と、『GANTZ』、『進撃の巨人』でもおなじみの本郷奏多。アオハルならではの友情が切なくも瑞々しく描かれている。映画の中の2人にフォーカスを当ててみると?

■本郷は佐野演じる耕太に影響を及ぼす謎の転校生役

佐野が演じているのはクラスの仲間といつもつるんでいる野田耕太。幼い頃、父親と別れたこともあり、「無理したって未来はわかんないし、どうにもできないことがあるんだから」と冷めたふりをするタイプ。一方で本郷が演じているのは耕太たちが住む村に東京から引っ越してきた天童役。無口で何を考えているのかわからない謎の転校生だ。

佐野勇斗と本郷奏多がW主演を務める
佐野勇斗と本郷奏多がW主演を務める

村には"100年に1度、笠を被った化物が現れて、5人の子供が姿を消す"という神隠しの伝説があり、100年に当たる年に実際に子供たちが行方不明になるという事件が起こる。明るくアクティブな真島(櫻井圭佑)が「犯人、俺たちが捕まえようぜ!」と提案し、耕太は「めんどくせーよ」と返すが、いつも笑っている大仏(須賀健太)、噂好きで情報通の折田(亀田侑樹)、転校してきたばかりの天童も巻き込み、5人は事件を解決すべく山の中で冒険を開始する。

5人で一緒に時間を過ごすうちに耕太はヘラヘラしている大仏が家では孤立していることを知り、家族に何も言えずにいる大仏の代わりに怒りをあらわにする天童の、内に秘めた熱さに驚かされる。「自分だけではなく、誰もが問題を抱えていた」。そんな気づきによって生まれる友達への心境の変化を佐野勇斗が高校生らしい素朴さで表現し、闇を抱えた少年の傷つきやすい心を本郷奏多が鋭く寂しげな目線の中に映し出している。

■"青春あるある"の保健室の先生への片思いシーンも

耕太の純朴さが垣間見えるのが保健室の先生(山口紗弥加)に片思いする場面だ。「熱があるかも?」と心配する先生からおでこに手を当てられて動揺する様子や、先生の写真を持っていることを仲間にからかわれてムキになる様子など、佐野勇斗のかわいさ全開の表情も楽しめる。

一方、神隠し伝説は仲間にも及んでいき、東京の高校に通っていた頃の噂が広まり、天童が犯人ではないか?と疑われることに。過去のことに口を閉ざしている天童と真っ向からぶつかりあい、これまで見せたことがなかった感情が耕太の中から溢れ出していく流れも多感な年頃ならでは。きっと一生ものになるであろう宝物を見つけていく少年たちの物語だ。

文=山本弘子

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放送情報

凜-りん-
放送日時:2021年9月20日(月)23:30~
チャンネル:WOWOWシネマ

放送日時:2021年9月29日(水)14:45~
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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