吉岡里帆の一途さと不器用さに心打たれる...生活保護受給者を救う新人ケースワーカーを熱演

吉岡里帆が役所の生活課に配属された新人ケースワーカーを演じたドラマが「健康で文化的な最低限度の生活」(2018年)だ。原作は週刊ビッグコミックスピリッツで連載中の柏木ハルコによる漫画で、累計発行部数が100万部を突破した大ヒット作。吉岡演じる義経えみるの上司である係長を田中圭が、同僚を川栄李奈、山田裕貴が、借金に苦しむ生活保護受給者を遠藤憲一が演じるなどキャストも豪華で、江口のりこ、安達祐実らゲスト俳優の出演も話題となった。

「健康で文化的な最低限度の生活」に出演する吉岡里帆
「健康で文化的な最低限度の生活」に出演する吉岡里帆

コロナ禍が長引く時代だからこそ、生活に困窮し、家庭に問題を抱えている人々の生きる様がよりリアルに伝わってくる物語。彼らと向き合いハードな日々を送るケースワーカーたちの奮闘ぶりが描かれている。原作を読んでファンになり、「今作のテーマは、他人と真剣に向き合うことがどれだけ大変で大切なのかという、人間関係の尊さというシンプルなことに尽きます」とコメントしていた吉岡のガッツのある演技、その役柄をプレイバックしてみると?

■へなちょこケースワーカーが成長していく奮闘記

吉岡演じるえみるはごくごく平凡な家庭に育ち、映画が好きで映画監督を夢見るものの、将来の安定のために公務員として働くことを決めた。ところが、生活課に配属されたえみるを待っていたのは、生活保護受給者のシリアス過ぎる電話。身体が不自由な祖母と孫の2人暮らしの家庭への訪問など、初日から過酷な仕事に「ダメだ。もう身体が持たない」とぐったり。真面目なあまり空回りばかりで、田中演じる係長からは「優しすぎる奴はこの仕事に向かないですから」と言われる。

そんなえみるの背中を押すのは、的確で包容力のあるアドバイスをくれる先輩ケースワーカー(井浦新)や、えみると出会ったことで人生をやり直す一歩を踏み出した阿久沢(遠藤憲一)だ。借金を抱えたことで、愛する妻や娘と別れた心優しい阿久沢の想いを察して現場に自転車で駆けつけるえみる。不器用ながらもその一途さで受給者たちに寄り添うえみるを演じる吉岡のなりふりかまわない真剣な表情と、ケースワーカーとして役に立てた時に見せる本当に嬉しそうな笑顔のギャップが良い。行きつけの食堂で1人、とんかつ定食を食べる時の幸せそうな表情など、思わず「頑張れ」とエールを送りたくなるシーンで溢れている。

■えみると同期の仲間たちとの友情にもほっこり

苦境に立たされた人たちとのやりとりに悪戦苦闘するのはえみるだけではない。山田演じる七条は「母子家庭で育ったから、甘っちょろい人見るとムカついちゃうんだよね」と語る。それだけにシングルマザー(安達)のケースを担当した時にはつい熱くなってしまい、「頑張りましょう!」と相手を追い込んでしまって、えみるにたしなめられる。川栄演じる栗橋は本当は優しいのにうまく笑えず、相手を突き放すような言い方をしてしまう自分に悩み、自信を喪失しているところを、えみるがかけた言葉に救われる。

そんな同期たちとの友情も描かれている"ケンカツ"は生活保護という重いテーマながら、根底に流れているのは人間への愛ある視点。こんな時代だからこそ触れたいドラマだ。

文=山本弘子

この記事の画像

放送情報

健康で文化的な最低限度の生活
放送日時:2022年1月20日(木)17:30~、2022年1月21(金)17:50~※5話連続放送
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

吉岡里帆の放送情報はスカパー!公式サイトへ

キャンペーンバナー

記事に関するワード

この記事をシェアする

関連人物

関連記事

関連記事