女優、"創作あーちすと"、そして近年では監督、脚本家にも挑戦している、のんさん。脚本、監督、主演を務めた映画『Ribbon』の25(金)公開を記念して、22(火)に日本映画専門チャンネルで出演作を24時間一挙放送。初監督作品『おちをつけなんせ』(2019年)や、コロナ禍にほぼリモートで撮影された岩井俊二監督の『8日で死んだ怪獣の12日の物語 |劇場版|』(2020年)などが放送される。
「すごくうれしいです。こんな企画はなかなかないので、貴重な機会を頂けたと思います。全部すてきで、面白い作品ですので1日付き合ってもらえたらうれしいです」
コロナ禍に出会った岩井監督からは、大きな影響を受けたという。
「どんな状況でも新しい形で映画を撮ろうとする岩井監督の思いに元気付けられました。みんながへこんでいる時でも作っているのがすてきなんです。それで自分が憧れる美大生が主人公の物語を作ろうと思い、まずは美大生の状況を調べました。すると、卒業制作展ができず、1年かけて作った自分の作品がゴミのように思えたという方がいて、その言葉に衝撃を受けたんです」
"ゴミのよう"という言葉と、のんさんがコロナ禍に描いたリボンをまとう少女の絵がマッチし、構想が完成。そして、通学も卒業制作展もできなくなった美大生の心情を描いた映画『Ribbon』が生まれた。
「『おちをつけなんせ』に出演してくださった桃井かおりさんに『主演と監督の両方やるのは大変じゃないですか?』と尋ねると『自分と同じ脳みそを持った味方が1人いることはすごく楽ちんよ』とおっしゃられて。確かに頭の中のことを共有できるキャストが1人いたことは心強かったです。また、監督業に気を取られすぎないように、撮影に入る直前に役の解釈を作る、いつも役者としてやっていることもし直しました。自分の脚本なので分かった気になっていたのですが、役者側からの解釈も必要だと感じたんです」
さらには、リボンで主人公の気持ちを表現する演出にも挑戦。映画『シン・ゴジラ』(2016年)の樋口真嗣監督、尾上克郎准監督をリボンアートの特撮チームとして迎えた。
「うつうつとしたハードな気持ちをリボンで感覚的に伝えたかったんです。水中で回して撮影したリボンを合成したので、特撮でしかできない感じが出ています。本当に素晴らしいキャストやスタッフに支えてもらえて、いい作品に仕上がったと思います。新作も特集放送もぜひ見てください!」
のん●1993年生まれ、兵庫県出身。2016年公開の映画『この世界の片隅に』で主人公の声優を務め、第38回ヨコハマ映画祭「審査員特別賞」を受賞。2017年に自ら代表を務める新レーベル「KAIWA(RE)CORD」を発足。"創作あーちすと"としても活動を行い、2018年に自身初の展覧会「'のん'ひとり展-女の子は牙をむく-」を開催。脚本・監督・主演を務める映画『Ribbon』が2/25(金)に公開される。
撮影=大川晋児 取材・文=及川静 スタイリスト=町野泉美 ヘアメーク=菅野史絵 衣装協力=kudos、SHINYAKOZUKA、atelier ST, CAT
放送情報
24時間まるごと のんNON FES! THE MOVIES
放送日時:2022年2月22日(火)22:00~
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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