コラムニスト・吉田潮が薦める!仲里依紗が悲劇の"サレ妻"を演じるドラマ「ホリデイラブ」の魅力

恋をして愛を育み、仲むつまじくお互いを尊敬しあって思いやる。そんな相思相愛・両思いの夫婦が世の中にどれだけいるだろうか......なんてことを考えさせられたのが、このドラマだ。

不倫の顛末は因果応報。不憫な女の行方が心配

主人公はネイリストの高森杏寿(仲里依紗)。ゼネコン勤務の夫・純平(塚本高史)と娘の3人暮らし。一戸建てを構え、自宅でネイルサロンを開き、順風満帆の幸せな家庭を築いていた。

「ホリデイラブ」の登場人物たちのイラスト
「ホリデイラブ」の登場人物たちのイラスト

ところが純平が名古屋へ単身赴任してから歯車が狂い始める。ある日、井筒渡(中村倫也)がやって来る。その傍らには顔をケガした純平。井筒曰く、自宅で純平に妻を寝取られたので、慰謝料を請求するという。寝耳に水の杏寿は絶望のどん底に。これはまだ序の口。井筒の妻・里奈(松本まりか)は超ド級の危険人物だったのだ。

狂気の悪女役を演じることが多かった仲里依紗だが、今作では悲劇の"サレ妻"役。逆に、松本が虚言と妄想と策略に満ちた女性を怪演、この作品が出世作となった。

社長を名乗る男(山田裕貴)と一瞬浮気しかけた杏寿。罪悪感を抱き、純平を許してやり直す決意をする。クセが強いサスペンス仕立てだが、夫婦が再生に向かう心情は丁寧に描写。

ただし、井筒夫妻は再生しない。モラハラを繰り返す渡に、人生の選択を後悔し、純平に執着する里奈。片思い、最後まで一方通行の悲しい夫婦だった。

見どころは、不倫の落とし前をつける四者会談。まさに地獄だ。さらに里奈の狂気。最終話でまさかの方向転換、衝撃の結末には息をのむ。胸が痛い...。 

里奈の本質を看破していた事務の武田さん(池谷のぶえ)が言った通り。「あーいうのには気をつけないといけないよ!」

よしだ・うしお●1972年生まれ。ドラマ好きのコラムニスト兼イラストレーター。週刊誌や新聞でテレビ・ドラマ評を執筆。時々テレビにコメンテーターとして出演。著書「くさらないイケメン図鑑」など著書多数。ネコ2匹と同居中。

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放送情報

ホリデイラブ

放送日時:2022年2月24日(火)0:00~

チャンネル:テレ朝チャンネル1

※放送スケジュールは変更になる場合があります

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