松浦亜弥に涙、ハロプロ好きな仲間との日々...松坂桃李がハロヲタを演じた映画『あの頃。』

松坂桃李
松坂桃李

広瀬すずと共演する映画『流浪の月』が5月に公開される松坂桃李。そんな松坂が"ハロプロ"のアイドルにどハマりする主人公を演じたのが映画『あの頃。』だ。原作(「あの頃。男子かしまし物語」)は"あらかじめ決められた恋人たちへ"のベーシスト、劔樹人による自伝的コミックエッセイで、監督は『愛がなんだ』、『アイネクライネナハトムジーク』などでおなじみの今泉力哉。松坂演じる劔と共に年齢制限なしの青春を楽しみまくる仲間の1人として仲野太賀も出演している。

ちなみに映画の中で松坂が着ているハロヲタファッションは原作者から借りたもので、役を演じるためにベースを猛練習。偶然にも松浦亜弥が松坂のリアルな中学時代の先輩だったというエピソードも面白い。"こういう人、いそう"と思わせる松坂桃李のハロヲタぶりに注目だ。

映画『あの頃。』に出演した松坂桃李ら
映画『あの頃。』に出演した松坂桃李ら

(C)2020『あの頃。』製作委員会

■松坂演じる劔があややにハマる瞬間からして青春

バンドでベースを弾いているもののメンバーからダメ出しをされ、うだつの上がらない生活を送っている劔。ハロプロアイドルとの出会いは元気がないのを見兼ねた友人がポストに入れてくれた松浦亜弥のDVDだった。お弁当を食べながら、ぼんやり画面を見ていた劔は途中でボリュームを上げ、「♡桃色片想い♡」を見ながら涙を流すほど感動する。全速力でママチャリを飛ばし、向かった先はCDショップ。店長、ナカウチ(芹澤興人)からハロプロについて語るトークイベントのチラシをもらったことで、劔の毎日はキラキラと輝き出していく。

いつのまにかナカウチ、コズミン(仲野太賀)、石川梨華推しでリーダー格のロビ(山中崇)、ヲタグッズを制作する西野(若葉竜也)、ハロプロ全般を推すイトウ(コカドケンタロウ)らイベント主催軍団の一員になり、殺風景だった部屋はあややのポスターやグッズだらけに。終わったと思っていた青春はまだ終わっていなかったのだ。

ハロヲタおっさんたちと横並びで銭湯に入るシーンなど、暑苦しくもコミカルなシーンに思わずニヤリ。無邪気な笑顔を取り戻し、ノリノリになっていく松坂の自然な演技は違和感ゼロだ。

(C)2020『あの頃。』製作委員会

■笑えて泣ける。ハロプロが教えてくれたこと。

握手会に行っても緊張のあまりガチガチになってしまう劔にファンの極意を教えてくれるのがひねくれ者でプライドが高いコズミン。アイドルヲタとしての修行を積み、ついに本物のあやや(山﨑夢羽)と対面するシーンでは思わず「がんばれ!」とエールを送りたくなる。ミッションをクリアし、逃げてばかりの自分から卒業できたのはあややのおかげと感謝する姿は、アイドルに限らず、誰かのファンになったことで変わったことがある人は共鳴するのではないだろうか。

ハロプロのアイドルたちがオリコンチャートを上昇し、雑誌の表紙を飾っていた"あの頃"。たとえ推しのアイドルが卒業し、自分たちも新しい道に進み、ファンを卒業しても仲間とペンライトを振って、わちゃわちゃ語り合っていた"あの頃"の思い出は永遠だ。笑いあり、涙あり。恒例イベントでみんなと歌うシーンの松坂の歌にも笑顔になれることも付け加えておきたい。

文=山本弘子

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放送情報

あの頃。
放送日時:2022年2月6日(日)21:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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