明日海りお、宝塚時代に演じた孤独な少年を再び演じる!千葉雄大とのコンビネーションも見逃せないミュージカル・ゴシック『ポーの一族』!

2021年1月〜2月に大阪・東京・名古屋にて上演されたミュージカル・ゴシック『ポーの一族』が、日テレプラスにて放送される。萩尾望都の人気漫画を舞台化した作品であり、自身も漫画の大ファンであるという小池修一郎が脚本・演出を手がけた。

主人公は「永遠の少年」エドガーである。孤児として育ったエドガーは、最愛の妹メリーベルを守るためバンパネラ(この作品における吸血鬼の呼称)の一族に迎え入れられる。だが、やがてメリーベルもバンパネラとなり、兄妹は時空を越えて生き続けてきた。あるきっかけからメリーベルを失ったエドガーは、アランという少年をバンパネラの世界にいざなう。

明日海りお演じるエドガーと千葉雄大演じるアラン
明日海りお演じるエドガーと千葉雄大演じるアラン

撮影:岸隆子(Studio Elenish)

原作漫画は1話完結の短編が続いていく形式で、時代を行きつ戻りつしながら進むが、舞台ではそれが時系列に組み替えられた。原作の「ポーの一族」「メリーベルと銀のばら」「小鳥の巣」などの短編を組み合わせつつ、一部オリジナルのエピソードが組み込まれた物語が展開する。

『ポーの一族』は2018年に宝塚歌劇が舞台化したが、このときにエドガーを演じた明日海りおが、退団後の初舞台として再びこの役を演じた。バンパネラは歳を取らない。したがって少年のままで永遠に生き続けねばならない宿命を負った者が心に秘めた、誰にも理解されぬ哀しみを、エドガー役に再び挑む明日海がさらに鮮明に描いてみせる。醜い現実世界に降臨したエドガーだけが異次元の存在感を放ち、その孤独がくっきりと浮かび上がる。

撮影:岸隆子(Studio Elenish)

エドガーと「永遠の旅」を共にすることとなる少年アランには、千葉雄大がキャスティングされた。聞けば、自ら手を挙げてこの役に挑んだとのこと(公演プログラムより)。「明日海演じるエドガーのパートナーともいえる、この役を演じられる男優が果たして存在するのだろうか?」と取り沙汰された難役だが、千葉はリアルな少年が持つ繊細さや不安定さを手に取るように感じさせるアラン像をつくり上げた。

撮影:岸隆子(Studio Elenish)

撮影:岸隆子(Studio Elenish)

それ以外の主な役にも、様々なジャンルから個性あふれる人材が集結した。可憐な外見とは裏腹に「心は大人」のメリーベル(綺咲愛里)。厳格な父としてエドガーと対峙するが、最後には頼れる父としての温かみも滲ませるポーツネル男爵(小西遼生)。その妻シーラ(夢咲ねね)は、どこまでも魔性の女性で、タカラヅカ版より原作のキャラクターに近い印象だ。
 
自身も大のタカラヅカファンだという中村橋之助が医師クリフォードを、その婚約者ジェインを能條愛未が演じた。老ハンナと降霊術師ブラヴァツキーの2役を演じた涼風真世が強烈な存在感を放つ。福井晶一演じる大老ポーも、朗々とした歌声で王者の風格を感じさせる。

ストーリー展開は2018年のタカラヅカ版をほぼ踏襲しているにもかかわらず、受けた印象が異なっていたのが興味深い。幻想的で美しい世界が魅力のタカラヅカ版に比べ、人間たちとバンパネラとの生々しい相克のドラマに見応えがある。重厚な舞台装置や、アンサンブルメンバーによる歌やダンスの力強さも、この印象に一役買っているようだ。

漫画の世界観が舞台でどのように再現されるのだろう?生身の俳優たちがいかにして自身の持ち味を重ねつつ、キャラクターをつくり上げていくのか?気になる原作ファンの皆さんにもぜひお楽しみいただきたい。

文=中本千晶

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放送情報

ミュージカル・ゴシック『ポーの一族』
放送日時:2022年7月9日(土)20:30~
チャンネル:日テレプラス ドラマ・アニメ・音楽ライブ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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