"カメレオン女優"松本まりか、夜明け前の胎動!胸を大胆露出した衣装にも説得力を与える迫真の演技が観られるドラマ「深夜食堂 4」

"あざとかわいい"キャラからアクの強い役柄、ひいては妖怪役まで、どんな役をもこなし"カメレオン女優"と称される松本まりか。今や映画、ドラマなどから引っ張りだこの彼女だが、実は遅咲きの苦労人で、ブレイクしたのは芸歴18年目に出演したドラマ「ホリデイラブ」(2018年、テレビ朝日系)での怪演がきっかけだった。同作では、主人公の夫と不倫関係に陥る役で、"あざとかわいさ"や恐ろしい二面性、女性特有の執念深さなどをリアルに表現し、その演技力の高さを披露した。

だが、このブレイクした作品より前に、彼女の演技力の高さによる"カメレオン性"を感じられる作品が、ドラマ「深夜食堂-Tokyo Stories-」だ。同作は、安倍夜郎の同名漫画をドラマ化したシリーズの第4弾で、深夜から営業している飯屋を舞台に、小林薫演じるマスターと客たちとの交流を描く人間ドラマ。松本は第5話(※通算では第35話)「たまご豆腐」にキャバク嬢・ミドリ役で出演している。

雀士の大神(豊原功補)が6歳の息子・大三(岩田龍門)を連れ、1年ぶりに来店する。昔の女に押し付けられた子供で父親の自覚はないという大神だが、大三と並んで好物のたまご豆腐を食べる姿は親子そのものだった。そんな中、常連客のミドリが大三を可愛がるようになるが、ミドリにはホスト上がりで雀士を気取るカズマ(高橋諒)というタチの悪いヒモがいた、というストーリー。

この作品で松本は"カメレオン女優"の片鱗ではとどまらない真骨頂を見せている。と言うのも、キャバクラ嬢という役柄に加え、「大三が女性の胸が好きで、ミドリは大三好みの胸の持ち主」という設定もあり、胸元が大きく開いた衣装で登場するのだが、セクシーではあるもののエロティック過ぎないのだ。なぜそう見えるのかというと、ミドリが纏う雰囲気がどこか疲れているようで、スレて見えるからに他ならない。後に、ヒモであるカズマの存在とカズマに対する依存などが明かされていくのだが、登場シーンから雰囲気だけで役のバックボーンまでも表現しているところが"カメレオン女優"の実力といえよう。

さらに、似た身の上でシンパシーを感じている大三に対してのみ見せる弱気な顔や、キャバクラ嬢からデリヘル嬢になった時に見せる光を失った目、そして、ラストの大神に対して感情を爆発させるシーンなどは、その本領を遺憾なく発揮している。わずか30分という作品の(大神のエピソードであるため)サブキャラクターに過ぎないのだが、劇中の時間の中での変遷や変化が細やかに表現されており、ミドリの半生に触れたような気にまでさせてくれるのだ。

ブレイクの約2年前、まさに夜明け前の時期。彼女の"視聴者に没入感を与えてくれる芝居"は確かに存在し、世間に見つかるカウントダウンは始まっていた、と思うと感慨深さもあり、「この演技力ならブレイクするのもうなずける」と妙に納得させられること請け合いだ。そんな松本の"エピソード0"ともいえる芝居を堪能してみてはいかがだろうか。

文=原田健

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放送情報

<我が道を行くヒロインたち ファミ劇 秋のドラマつり>深夜食堂 4 セレクト放送#35
放送日時:2022年9月23日(金)21:30~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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