「DEATH NOTE」での共演で有名な藤原竜也松山ケンイチが今度は親友に!より洗練された2人の演技が観れる映画『ノイズ』

今年1月に公開したサスペンス映画『ノイズ』が、早くもWOWOWプライム、WOWOWシネマで10月1日(土)に放送する。筒井哲也の同名漫画を、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(2017年)などで知られる廣木隆一監督が実写映画化した。

住民たちが平和に暮らしている絶海の孤島・猪狩島。島の青年・泉圭太が生産した黒イチジクが人気となり、国からの交付金5億円が内定したことで過疎に苦しむ島に明るい未来が見え始めていた。しかし、突然現れた不気味な男に家族を狙われた圭太は、親友の田辺純と新米警察官・守屋真一郎と共に、誤ってその男を殺してしまう。3人は島の未来と大切な家族を守るために死体隠蔽を計るが、予想外の事態に発展。県警の包囲網が彼らを追い詰めていく中、島の日常は少しずつ狂い始める。息詰まる心理戦を描いた質の高いサスペンスとなった。

(C)2022 映画「ノイズ」製作委員会

本作でW主演を務めるは、藤原竜也と松山ケンイチ。大ヒット映画『DEATH NOTE』(2006年)以来、約15年ぶりの本格的な共演となった。2006年当時からすでに実力派として活躍していた藤原と、同作で多数の新人賞を受賞した松山は、死神のノートを手にしたエリート大学生とそのライバル探偵として天才同士の頭脳戦を繰り広げた。同シリーズは松山の出世作、そして記憶に残る名作となった。久しぶりの共演となる本作では、幼なじみで親友の間柄を演じている。

藤原は、妻子と共に島で暮らす泉圭太を演じた。圭太は過疎に悩む島で新たな名産品を生み出したヒーロー的な存在ながら、爽やかな好青年で誰にも優しい。これまで藤原は癖の強いキャラクターを多数演じてきた。近年の作品では、国家転覆を企てる極悪人・志々雄真実に扮した「るろうに剣心」シリーズ(2014年〜)に、『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』(2017年)の凶悪な殺人犯や、昨年映画化もした「連続ドラマW 太陽は動かない -THE ECLIPSE」(2020年)の凄腕エージェントなど枚挙に暇がない。華麗なる経歴ゆえに、何か隠れた才能や誰にも言えない過去があるのではないかと疑ってしまう。しかし今作で演じるのはいたって普通の市井の人。意図せず罪を犯してしまったことで、揺れ動く感情や追い詰められていく焦燥感も圧倒的な演技力で表現した。想定外の出来事に憔悴していく様子も自然で、家族で過ごす時の良き父親の姿と、殺人の共犯者となってしまった親友たちに見せる表情は全く異なる。泉圭太という人間が立体的にリアリティを持って存在していた。

(C)2022 映画「ノイズ」製作委員会

圭太の親友・田辺純は松山が演じた。藤原と再共演に至るまでの間、さまざまな作品で硬軟自在な演技を見せてきた松山。近年で言えば、2016年の映画『聖の青春』では、難病と闘いながら将棋の道を突き進んだ天才棋士を演じ、本人が憑依したかのような演技で第59回ブルーリボン賞主演男優賞受賞した。一方で、ゆるいコメディドラマ「聖☆おにいさん」(2019年)では下界でバカンスを満喫する神の子イエスに扮し、ほっこりと愛らしい姿を見せている。カメレオン俳優たる演技力には、藤原が厚い信頼を寄せる。本作でも無骨な男を違和感なく演じた。猟師らしい無精髭を生やした風体で少しぶっきらぼうだが、熱さや弱さなど人間らしいところが垣間見える。時折光らせる眼の鋭さが印象に残った。

実際に長い付き合いのある藤原と松山だからこそ、些細なやり取りにも気心の知れた親友同士の空気感が生まれている。そして、2人に引けを取らない実力ある俳優陣がずらりと脇を固めた。2人の親友であり共犯者となる島の新人警察官・守屋は神木隆之介、彼らを追い詰める警察には永瀬正敏と伊藤歩、圭太の妻・加奈に黒木華、町長役に余貴美子、凶悪犯を怪演した渡辺大知など。高次元での演技が、物語をより一層リアルにする。平和な社会に悪意ひとつが現れたことでノイズが広がり、人間の本性が剥き出しになっていく本作。藤原・松山を筆頭とする演技派たちが、どこにも誰にも起こり得る深層心理を見事に表現した。見えるもの知っていることが全てではない、人間の内側の底知れぬ奥深さ。じわじわと心を蝕まれていくような恐怖を感じた。

文=中川菜都美

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放送情報

ノイズ
放送日時:2022年10月1日(土)13:00~
チャンネル:WOWOWプライム、WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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