広瀬アリスの「わたし、気になります!」に引き込まれる!山崎賢人の気だるげな演技も見事な映画「氷菓」

「オオカミ少女と黒王子」「四月は君の嘘」「一週間フレンズ。」をはじめ、マンガ原作の実写版映画で若手人気女優陣とW主演を務めてきた山崎賢人(※「崎」は正しくは「立さき」)。「釣りバカ日誌 Season2~新米社員 浜崎伝助~」「連続テレビ小説 わろてんか」などの話題作でみせた底抜けに明るい笑顔とはつらつとした演技で、幅広い層から支持を得ている広瀬アリス。そんな二人が共演を果たしたのが、アニメ化もされた人気推理小説が原作の映画「氷菓」だ。

制服姿の山﨑賢人、広瀬アリス、岡山天音、小島藤子
制服姿の山﨑賢人、広瀬アリス、岡山天音、小島藤子

(C)2017「氷菓」製作委員会

"省エネ主義"の高校一年生、折木奉太郎(山﨑)のモットーは「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」。入学したばかりの神山高校でも、灰色の高校生活を送るつもりだった彼だが、怖い姉の命令により、廃部寸前の古典部に入部することに。気乗りしないまま、部室でもある地学準備室に向かった彼は、そこで黒髪の美少女・千反田える(広瀬)と出会う。

山﨑が演じるのは、できる限り面倒なことはやりたくないという、無気力系男子の奉太郎。あらゆることにエネルギーを使いたくないという彼の信念を、山﨑は目元を隠す長い前髪&気だるげなセリフ回し、うつむき加減の姿勢とゆっくりとした歩き方で表現した。そんな奉太郎を大きく変えるのが、広瀬が演じる千反田えるだ。

名家のお嬢様でもあるえるは、普段はおっとりと話す清楚な美少女。しかし、何か興味を惹かれるものに出会うと、誰にも止められないほどの好奇心を発揮するといった二面性の持ち主だ。二人の出会いからはじまる、「えるが古典部部室に閉じ込められていたのは何故か」という、現古典部メンバーによる最初の謎解きも、えるの「わたし、気になります!」という言葉からスタートする。

原作小説でもアニメでも、印象的に描かれているこの名セリフを、広瀬はゆっくりと、そして力強く表現。彼女のチャームポイントでもある大きな瞳に、静かな情熱と聞く者に「ノー」を言わせない迫力を宿らせながら、奉太郎の腕をしっかりと掴み、「考えてください!」と謎解きを迫る豹変ぶりを見事に演じた。

この謎解きを機に、奉太郎の親友・福部里志(岡山天音)も入部し、活気を増していく新生古典部。そんなある日、奉太郎はえるから、33年前に起きたある事件の謎を解き明かして欲しいと依頼される。えるとの出会いによって、省エネ志向が少しずつ弱まっていた奉太郎は、喫茶店で「緊張している」と言うえるに「告白でもするのか?」と冗談を言うが、静かに頷く彼女を見て狼狽。みるみるうちにお得意のポーカーフェイスが崩れ、震え声でコーヒーのおかわりをオーダーするといった慌てぶりを、山﨑はユーモラスかつナチュラルに演じた。

そして、奉太郎に「33年前に起きたある事件の謎を解き明かしてほしい」と真剣な表情で告白したえるを、広瀬は凛とした美しさで表現。「やらなくてもいいことなら、やらない」という省エネ主義を奉太郎が手放すきっかけになるのも仕方ない、と視聴者に思わせる広瀬の花のような笑顔は必見だ。

歴史ある古典部部誌「氷菓」第一号のバックナンバーの行方など、さまざまな要素が絡み合うなかで、えるの望みを叶えようとする奉太郎。山﨑や広瀬のみずみずしい演技と共に、青春まっただ中の高校生たちが見つけ出す真実の行方をぜひその目で確かめてみて欲しい。

文=中村実香

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放送情報

氷菓
放送日時:2022年12月2日(金)20:30~
チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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