広瀬すず、山崎賢人のドレスアップ姿も！？アニメ化もされた人気漫画が原作の映画「四月は君の噓」

映画「海街diary」での演技が高く評価されたことをきっかけに、今や国民的人気を誇る若手女優のひとりに成長した広瀬すず。そして、端正なビジュアルとどんな役をも自分の個性と融合させる才能を駆使し、さまざまなコミックの実写版映画で活躍する山﨑賢人(※「崎」は正しくは「立さき」)。これからの日本映画界を牽引していくであろう2人が、2016年にW主演を果たした映画が「四月は君の嘘」だ。

TVアニメ化もされた人気コミックが原作の本作は、湘南の海が近くにある、神奈川県の高校を舞台に、かつて天才少年ピアニストとして名を馳せていたものの、今は音楽から遠ざかっている少年と、彼の前に現れた女子高校生バイオリニストの恋を描く。

幼い頃は"ヒューマンメトロノーム"と称されるほど、楽譜に正確な演奏で天才ぶりを発揮していたピアニストの公生(山﨑賢人)。しかし、指導者でもあった母親の死をきっかけに、ピアノが弾けなくなった。高校2年になったある日、彼は公園で楽しそうに鍵盤ハーモニカを弾く少女・かをり(広瀬すず)に目を奪われる。公生の親友・渡亮太(中川大志)のことが好きだという彼女は、バイオリニストとしてコンクールに出場するなど、音楽に情熱を注いでいたものの、心のままに演奏してしまうような自由奔放な性格だった。自分とは正反対な性格の彼女の存在によって、モノトーンだった世界が色づいていくなか、近々開催されるコンクールで、ピアノの伴奏して欲しいと、かをりから頼まれた公生。その熱意に押され、彼は再びピアノに向き合うことになるが...。

原作コミックでは、東京都内を舞台に、中学2年生の少年少女の姿を描いたが、本作では登場人物の年齢設定と舞台を変更し、青春ムードをさらに盛り上げる。心に傷を負い、自分の全てといっても過言ではなかったピアノから遠ざかってしまった公生を演じる山﨑は、重く長いの前髪で自分の殻に閉じこもっている公生の心情を表現。一方、広瀬は、栗色のセミロングという珍しいヘアスタイルで、明るく開放的なイメージのかをりを演じている。

見どころとなるコンクールや、そこへ向けての練習シーンでは、広瀬がバイオリン、山﨑がピアノの演奏に挑戦。滑らかな指の運びや、楽器への真摯な向き合い方が伝わってくるような彼らの熱演は必見だ。また、広瀬の真紅のミニドレスやエメラルドグリーンのロングドレスだけでなく、山﨑のダークスーツなど、ドレスアップした彼らの姿も楽しめる。

音楽を通して、心を通わせていく公生とかをり。天真爛漫なかをりに振り回されていくうちに、どんどん豊かな心を取り戻して行く公生の変化を山﨑は、表情のバリエーションが増えるだけでなく、姿勢や歩き方、そして声の強弱も見事に表現した。一方、ある大きな不安を抱えているかをりの身に変化が起こる場面では、広瀬が圧巻の演技を披露。表情がまったく見えない状況にも関わらず、かをりの心の中で生まれている激しい感情が手に取るように視聴者に伝わってくるのは、広瀬の熱演の賜物と言えるだろう。

見事な桜並木からはじまり、美しい日本の四季の中で紡がれていく、音楽が結びつけた恋物語。青春の輝きを凝縮したような広瀬と山﨑のまぶしい笑顔と共に、どこまでも純粋な青春ストーリーの結末を見届けて欲しい。

文＝中村実香

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