コロナ禍で迎える全日本選手権...今季初戦の羽生結弦宇野昌磨らトップ選手の動向

「全日本フィギュアスケート選手権2020」
「全日本フィギュアスケート選手権2020」

フィギュアスケートの国内最高の戦いである「全日本フィギュアスケート選手権」(以下、全日本選手権)が、いよいよ12月24日(木)より長野市・ビッグハットにて開幕する(フジテレビONEでは男女シングル前半グループとアイスダンスの模様を生中継、後半グループは後日録画放送される)。これが今季初戦となる羽生結弦選手、宇野昌磨選手、紀平梨花選手を筆頭に、日本のトップ選手たちが一堂に顔を揃える大会として注目を集めると共に、例年に増して特別な意義を持つ大会となりそうだ。

■5年ぶりの優勝を狙う羽生結弦選手か?5連覇を目指す宇野昌磨選手か?

新型コロナウイルス感染拡大により国際大会の中止が相次ぎ、海外遠征にも行けず、練習すら思うようにできない異例の対応を迫られた今シーズン。カナダ在住のブライアン・オーサーコーチに師事する羽生選手は、シーズン序盤の時点でISUグランプリシリーズ(以降、GPシリーズ)の欠場を決断し、第4戦(フランス大会)への出場を表明していた宇野選手は、直前の開催中止によって出場見送りを余儀なくされた。そんな彼らにとって、全日本選手権は今シーズン初の実戦の場であり、世界トップレベルの二人の直接対決に熱い視線が注がれている。

昨年の全日本選手権は、4年ぶりに同大会に出場した羽生選手と、3連覇中の宇野選手、さらにはシングル競技への出場が最後となった高橋大輔選手(※「高」は正しくは「はしご高」)の競演が話題を集めた。

結果、ショート2位の宇野選手がフリーで逆転し、合計290.57点をマーク。大会4連覇を達成すると共に、宇野選手が羽生選手との直接対決で初めて勝利を手にしたことで、大いに反響を呼んだ。また、当時ジュニアの鍵山優真選手がフリーで羽生選手を上回る180.58点を上げ3位を獲得。同じくジュニア選手でライバルの佐藤駿も5位に食い込むなど、次世代スター候補の台頭を強く印象付ける大会となった。

そんな昨年大会を経て、鍵山、佐藤の両選手がシニアデビューを飾った今季は、全日本の表彰台にどのような変化が見られるのか期待が高まる。羽生選手が全日本に優勝するとなれば、5年ぶりの優勝となり、宇野選手が勝てば5連覇の偉業――昨年の敗北では悔しさ全開だった羽生選手だけに、強い気持ちでリベンジを狙ってくるだろう。

■フィギュアの華!強豪ぞろいの女子シングル、アイスダンス転向の高橋大輔選手の演技も期待大!

また、女子シングルは昨年初優勝を果たして連覇を狙う紀平選手が最有力。彼女を追うのは、昨年2位の樋口新葉選手、4位の宮原知子選手に加え、昨年6位ながら今季のNHK杯では樋口選手を制して初優勝した坂本花織選手が出場を予定しており、華やかな競演が期待できそうだ。

そして今年からアイスダンスへ転向した高橋選手にも注目したいところだ。村元哉中選手とのカップルで出場したNHK杯では3位に終わったものの、わずか1年の競技歴で息の合ったステップを見せ、周囲を驚かせたのも記憶に新しい。ステップ、スピン、ジャンプ...と技のすべてでパートナーとの一体感がカギを握るアイスダンス競技において、短期間で急成長を遂げた高橋・村元ペアのポテンシャルは、今大会ではどう発揮されるのか非常に楽しみだ。

羽生選手と宇野選手の直接対決に熱い視線が注がれている「全日本フィギュアスケート選手権2020」

全日本選手権は、来年3月に無観客開催で調整が続けられている世界選手権(スウェーデン・ストックホルム)の代表選考会を兼ねている。数ヶ月先の国際大会の動向はまだ不安定と言わざるを得ないが、それでも北京五輪のプレシーズンが迫る中、今大会の動向は日本代表の座を争う上でも、コロナ禍で開催される競技会としても、非常に重要な意味を持つことは間違いない。

文=渡辺敏樹(エディターズ・キャンプ)

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放送情報

全日本フィギュアスケート選手権2020
放送日時:2020年12月25日(金)12:30~
チャンネル:フジテレビONE スポーツ・バラエティ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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