3月10〜12日にかけて宮城・セキスイハイムスーパーアリーナで行われた「羽生結弦 notte stellata」。チケットは全日程ともに早々に完売し、インターネットでの配信や公演の様子が全国の映画館でライブ・ビューイングされるなど、大きな盛り上がりを見せた。
「羽生結弦 notte stellata」は羽生にとってプロ転向後初の地元・宮城でのアイスショー。自身も東日本大震災で被災した羽生は、競技者時代から震災に思いを寄せたプログラムを滑ってきた。これまでは毎年3月に開催される「世界選手権」との兼ね合いからこの時期にアイスショーに出演することが難しかったが、この度のプロ転向により長年の願いを実現させた。
タイトルの「notte stellata」とはイタリア語で"満天の星"の意味。これは震災の日に羽生が避難所に行く道中、空を見上げると停電による暗闇の中に普段は見られない満天の星が広がっており、絶望感の中にも"希望の光"を感じたという体験に由来している。美しい星空のように人々に少しでも希望を与えられたらという思いが込められた。
ショーはそんなタイトルと同題の「notte stellata」を羽生がソロで滑り、続けて流れ星のようにスケーターたちが登場するという幻想的なオープニングで幕開け。仙台出身の本郷理華や、世界チャンピオンのシェーリーン・ボーン・トゥロック、オリンピック団体メダリストのジェイソン・ブラウンなど国内外のトップスケーターが参加した。田中刑事は"つらい経験を乗り越える"という思いを込めて平昌五輪シーズンのショートプログラム「メモリーズ」を披露、宮原知子は「Gnossiennes」の優雅なスケーティングで会場を魅了した。
さらにスペシャルゲストとして体操界のレジェンド・内村航平も登場。羽生とともに夏冬五輪王者として競技の垣根を超えて競演した。黒に金のモチーフのついた衣装に身を包んだ2人は、氷上で羽生が滑るかたわら、特設されたゆかで内村が演技するコラボレーションを披露。スピンと開脚旋回、4回転ジャンプとひねり技...など、次々と繰り出される美技のシンクロに会場は酔いしれた。
「春よ、来い」などの羽生のソロ演目だけでなく、トップスターたちによる華やかな演目が繰り広げられた今回のショー。最後の挨拶で羽生は、氷に触れて、震災への思いを吐露した。
4月23日(日)に日テレプラスで3月11日公演の模様が放送される「羽生結弦 notte stellata 完全版」では、別アングル映像に加え千穐楽のスペシャル映像、公演直後のインタビューも盛り込まれている。彼がこのショーにどのような気持ちで望んだのか、心に抱えた特別な想いも感じ取ることができるだろう。
文=HOMINIS編集部
放送情報
羽生結弦 notte stellata 完全版
放送日時:2023年4月23日(日)18:00~
チャンネル:日テレプラス ドラマ・アニメ・音楽ライブ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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