サッシャが語る、'21年の「ツール・ド・フランス」の展望

走行距離約3300kmを3週間かけ、全21ステージで戦うサイクルロードレースの最高峰「ツール・ド・フランス」が6月26日(土)に開幕する。今大会の展望や注目選手など、サイクルロードレース中継などで実況を務めるサッシャさんに伺った。

昨年は、世紀の大逆転で若手のタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)が個人総合優勝を果たした。近年、世代交代が進む中、今大会は久しぶりの連続優勝が実現するかが見どころだと、サッシャさんは言う。

「昨年激闘を繰り広げた、ポガチャルとプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)のスロベニア人対決は注目ですね。チームとしては、UAEとユンボ・ヴィスマ。ここに、'18年大会の覇者であるゲラント・トーマス率いるイネオス・グレナディアーズと、5度目の王座を狙うクリストファー・フルーム選手のイスラエル・スタートアップネイションを加えた4チームが優勝候補ではないでしょうか。最近は、個人の力だけでは勝てなくなってきています。1人のエースのために、残り7人がどれだけ汗をかいて犠牲になれるかに尽きます。その点からも、チーム力が高いイネオスとユンボ・ヴィスマが優勝に近い。個人的にはフルームに期待しています。ツール・ド・フランス5勝目を挙げて、歴史に名を残して欲しいです。あとは日本人の新城幸也選手(バーレーン・ヴィクトリアス)。円熟味を増したベテランの活躍を楽しみにしています。何より、東京オリンピック直前の大会なので、活躍しそうな選手を占う意味でも重要な一戦です」

7月まで全21ステージを生中継する「Cycle*2021 ツール・ド・フランス」

©A.S.O./ Pauline Ballet

最後まで読めない混戦模様だが、その背景には、今年のコース設定があると言う。

「今年は、傾斜が緩く長いアルプス山脈が先で、距離は短いけど斜度のきついピレネー山脈で終わります。ピレネーが後なので、最後まで爆発的な力を残した選手が優勝に近づきそうです。また、昨年とは全く違うコース設定なので、ポガチャルら経験値の高くない若手が、どう対処できるかが鍵ですね。あとは2回ある個人タイムトライアル。タイム差次第では昨年のよう大逆転があるかもしれません」

最後に初心者でも楽しめるツールの見どころを伺った。

「世界遺産など、フランスの歴史ある風景が楽しめるのも魅力です。あとは、短くてもいいので全ステージを見て欲しいですね。勝負所のラスト1時間とか。ツール・ド・フランスは1勝するだけでも名誉があるレース。3週間も戦い続けながらも、1勝のために1日1日で燃え尽きる選手たちの活躍を楽しんでください!」

取材・文=宮澤祐介

さっしゃ●'76年9月22日生まれ、ドイツ出身。ラジオDJ、スポーツ実況、MC、司会など幅広く活動。「Cycle* 我らワールドのサイクルロードレース観戦塾2021」(J SPORTS)に出演。

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放送情報

Cycle*2021 ツール・ド・フランス
放送日時:2021年6月26日(土)18:45~
チャンネル:J SPORTS 4
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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