山本昌がMCを務める「マサNOTE~山本昌が記す球人の軌跡~」(スポーツライブ+)では、毎回ゲストとして登場する偉大な野球人の生き様を掘り下げ、新たな学びを得ている。
11月20日(土)放送の#20では、野村謙二郎が登場。野村の野球を始めたきっかけから選手時代、監督時代までをひもときながら、山本が野村の"野球理念"に迫っていく。
今回、収録後の2人にインタビューを行い、収録の感想や現役時代の互いの印象に加え、今シーズンのペナントレースを振り返ってもらった。
――収録はいかがでしたか?
山本「僕自身、指導者として1シーズン通して戦ったことがないので、監督経験者の方が来てくれるとやっぱり勉強になりますね。毎回感じることなんですけど、『外から見ているのとは違うな』と思いました」
野村「とても面白かったです。野球を始めたところから、高校、大学、プロに入って選手として優勝も1回させてもらって、監督もやらせてもらって...という半生を振り返って、『自分って恵まれているな』と改めて感じると共に、『もっと上に行きたい』とか『もっとやりたい』という気持ちをなくしたら駄目だなって感じました。そんな中で、昌さんの記憶力がすごいなと!僕は忘れていることが多くて...(苦笑)」
――現役時代の互いの印象は?
野村「すごく自分の中で組み立てているピッチャーだなと思っていました。相手をどうやって仕留めるかというストーリーを自分で描いているイメージだったので、頭を使っているぶん疲れるんだろうけど、抑えた時の喜びはひとしおなんだろうな、という感じで見ていました。あと、昌さんがマウンドでサインを見ている時に、指を舐めるんですよ。ロジン触って舐めるから、『年間どれくらいロジン食べてるんだろう?』って思っていました(笑)」
山本「野村さんを(塁に)出すと面倒臭くなるという印象です。自分の中で『マークするバッターの前にランナーを出さない』というのを心掛けていて、野村さんは1番か3番を打っていたので、江藤(智)、(ルイス・)ロペスの前にランナーを置かないためにも、一番力を入れて抑えにかかっていました。左打者のインコースにスクリューを投げるようになったのも、左の強打者が多かったカープ打線を抑えるためでしたね」
――今年のペナントレースはどのようにご覧になりましたか?
山本「両リーグ共、昨年の最下位のチームが優勝するという珍しいかたちになりましたけど、一つ共通しているのが元々2軍監督をされて1軍監督をやった監督が優勝してるということですね。あとは、常勝チームがけが人や調子の上がらなかった選手が多かったというのも理由の一つにあると思います。
ヤクルトは、奥川(恭伸)投手が成長してきて、他の中継ぎ、抑えをしっかり確立してやってきたというのは、高津(臣吾)監督と伊藤(智仁)コーチの手腕だと思います。あと、新しく獲得した外国人選手が2人共当たるってなかなかないんですよ。2人が2割8分、9分打って、ホームランを2桁打って、それが下位打線にいるというね。上位打線は元々強いので、そんな2人が5番、7番にいるというのは、相手はすごく嫌ですよ。そのへんが噛み合って優勝に至ったんじゃないかと思います。
高津監督の選手起用には信念を感じましたし、それに関してはオリックスも一緒で若い選手を上手く使いましたよね。紅林(弘太郎)選手とか杉本(裕太郎)選手とか。あとは、山本(由伸)投手、宮城(大弥)投手の2人がいたおかげで連敗の心配をしなくていいので、チームが安定しますよね。2つ負けても『山本が止めてくれるだろう』『宮城が止めてくれるだろう』というようなチームの中での安心感があった気がします。打線の方でも吉田(正尚)選手が引っ張ったし。そういう意味でも、オリックスは強かったですね」
野村「僕もほとんど同じ意見ですね。これからの野球は(地元の)地域で盛り上がってそれぞれの球団色を出しながら戦っていくという時代に突入している中で、ヤクルトが逆転で優勝したっていうのは野球ファンとして非常によかったなと。当然、オリックスもそうですよね。
全体的に言うと、圧倒的に強いというチームがなくなってきているので何が起こるか分からない。また、安定した成績を残せる選手が少なくなってきているから、調子が上がるタイミングによってはチーム全体の調子にも影響してくるので、本当にどこが上がってくるか分からないという感じになっていますよね」
――お二人がMVPを選ぶとしたら誰ですか?
山本「パ・リーグは、どう考えても山本投手だよね。セ・リーグは、普通に考えれば村上選手じゃない?」
野村「僕も一緒です」
山本「村上選手は、あの若さでチームの中心になって引っ張っていたし」
野村「山田(哲人)選手とか、中村(悠平) 選手とか、青木(宣親) 選手とか、みんなが村上選手をサポートして押し上げてあげているんじゃないかなという気がしてならないですね」
――視聴者の方、野球ファンの方にメッセージをお願いします!
山本「放送20回という区切りの回に野村さんに来ていただいて、たっぷり野球論を語っていただきました。濃い内容になっているのでぜひご覧になっていただきたいと思います」
野村「この機会を与えてもらって本当にありがたかったですし、面白かったです。なにより昌さんが司会をされていて、上手に仕切ってらっしゃるのにびっくりしました(笑)。今後の個人的な希望なんですけど、昌さんに司会をしていただいて、ファンの方だけでなく指導者の人たち向けに指導方法を浸透させるような野球論議ができたら面白いのかなと。もしそういう機会があったら、また呼んでほしいですね!」
文=原田健
放送情報
マサNOTE~山本昌が記す球人の軌跡~#20
放送日時:2021年11月20日(土)11:00~
チャンネル:スポーツライブ+
※放送スケジュールは変更になる場合があります
「マサNOTE~山本昌が記す球人の軌跡~」は配信サービス『SPOOX』にて
1話190円、月額390円で視聴可能!
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