天才棋士から見た天才棋士、"ひふみん"こと加藤一二三九段が藤井聡太七段を語る

1954年のプロデビューから天才棋士として、数々のタイトルを獲得してきた加藤一二三九段。昨年2017年に引退し、その後は「ひふみん」としてテレビを中心に各方面で活躍している。今回は引退後の生活や、同じく天才棋士として注目を集める藤井聡太について聞いた。

昨年プロ棋士を引退されましたが、現在の生活はいかがでしょうか?

「ありがたいことに、引退後はテレビの仕事や講演、本の執筆などもあって現役の時と比べて3倍仕事が増えました。でも引退する前から、これからの人生で仕事がかなりあるということは悟っていました。私は78歳ですが、これからも喜んで生きていこうと思います」

現在の将棋との"距離"を教えてください。

「藤井聡太七段の将棋は今でも並べて研究しています。私は歴代の棋士すべてと戦っていますが、藤井さんの将棋は胸がわくわくするような感動を与えてくれます。やっぱり天才なんですよ。藤井さんは5歳で『名人になりたい』と書いていましたが、そんな人は藤井さん以外にはいませんよ。私も41歳で名人になりましたが、本当に名人になりたいと思ったのは30歳を超えてからですよ。人柄も柔軟ですし、発する言葉も魅力的な少年です。彼は欠点が1つもないと思います」

「将棋の対局というのは血糖値もべらぼうに上がるんですね。今も10時間、12時間も熱闘を続けていたら健康上良くないと思う。そういう意味では引退して良かったかなと思っています。私は一生懸命戦う人間ですし、手を抜いたらつまらないですからね」

映画『泣き虫しょったんの奇跡』が9月7日(金)に劇場公開となります。本作で描かれる瀬川晶司五段は、サラリーマンから転身してプロ棋士となり、話題となりました。加藤さんも対戦経験がありますが、どんな方でしょうか?

「公式戦では3局戦っておりまして、私の1勝2敗です。客観的に言うと名人にもなった棋士に勝ち越したのは見事な話で、大変戦上手な印象があります。将棋の世界は分かりづらい世界だと思いますが、この映画で棋士というものをクローズアップしてもらえるので、将棋ファンだけでなく一般の方にも知ってもらえればと思います。私は棋士として生涯を送ってきましたが、今は転職も多い時代です。瀬川さんは一流企業の会社員でありながら将棋への情熱を失わず、実力で棋士になった方です。そういった生き方は共感を呼ぶところがあるでしょう。私もぜひ観たいと思っています」

いつか加藤さんの映画もできるかもしれませんね。

「現役を退いたとはいえ、活躍している間はそっとしておいてもらった方が良いかなと思っています。映画というのは歳を重ねた人がテーマになることが多いと思うんですよ。私は少し前に医者に測ってもらったところ、健康年齢が46歳、骨年齢が28歳だったので、映画の話もまだまだ先だとありがたいです(笑)」

文=渡部壮大 撮影=中川容邦



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放送情報

藤井聡太 14才

放送日時:2018年9月9日(日)21:00~

※ゲスト:加藤一二三

映画「泣き虫しょったんの奇跡」の全て

放送日時:2018年8月23日(木)14:20~


チャンネル:日本映画専門チャンネル

※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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