2018年は「朝日杯将棋オープン戦」優勝、「新人王戦」優勝など、変わらずの活躍をみせた藤井聡太七段。1年前の四段から、あっという間に七段へと昇段。そして年が明けた2019年元日、囲碁・将棋チャンネルでは「新春! 藤井聡太に訊く」が放送され、気象予報士・森田正光と対談を行い、新年の抱負を語った。
まずは2018年の活躍で、2つの棋戦優勝を振り返った。「第11回朝日杯将棋オープン戦」は、史上初の中学生による全棋士参加棋戦優勝の快挙。佐藤天彦名人、羽生善治九段、広瀬章人竜王 と、「竜王戦」や「名人戦」の七番勝負を戦った超トップ棋士を連破しての優勝は、大きな自信になったという。規定により最後の出場となった「新人王戦」でも、史上最年少優勝を飾った。最後ということは意識せず、自然体で臨んだという姿勢が良い結果を呼び込んだといえる。長い持ち時間は好きだという藤井七段が、タイトル戦の大舞台に立つ日も楽しみだ。
気象情報のチェックという、少し変わった趣味を持つ藤井七段。気象予報士の森田からも当然その話題を振られた。現在は気象予報も将棋もAIを参考にして、プロが考える部分が共通している。藤井七段の勝率と天気予報の当たる確率が、どちらも80%強で同じ程度と知らされると「予報技術の進歩に追いつけるように頑張ります」と、常に向上心を忘れない。あまりのスピード昇段により、16歳の若さで若手棋戦に出られなくなってしまった藤井七段だが、上位まで勝ち上がったことによりシードも増え、対局数は中学時代より少し減った。その分高校生活には余裕が出て、林間学校などにも参加でき、出席日数の方も今のところ心配がないという。さらに「もし将棋をやっていなかったらどんな職業を目指したかった?」の質問には、「小さい頃は電車の運転士に憧れていたので、やはりそちらかな」と答えた。
番組では、藤井七段が今年対局の際に注文した"将棋めし"一覧のデータも紹介。「牛肉の照り焼き」で連敗していることを森田が発見。藤井七段は「『牛肉の照り焼き』は勝率が悪いんですね」と笑いながらも、「ゲンを担ぐことはしないので、今後も頼むかもしれない」と付け加えた。次にどんな対局で、「牛肉の照り焼き」を注文するのかにも注目だ。さらに、お気に入りの洋食はハンバーグで、家でも食べることがあるという高校生らしい一面も見られた。脳はカロリーの消費が激しいため、棋士が対局をすると痩せるという話は有名だが、藤井七段は意外にもそれほど痩せないという。"将棋めし"でしっかりエネルギーを補給しているからかもしれない。麺類の話題になると、同じ愛知県出身の森田と「きしめん」や「みそ煮込みうどん」の話題で華が咲いた。
棋戦優勝を果たした藤井七段には、当然ながら次はタイトル戦への期待がかかる。「まずは力をつけて、その結果としてタイトル戦に出られれば」と、いつもながらの謙虚な姿勢で抱負を語った。また、休日の過ごし方についても聞かれたが「いつもより時間がとれるので、将棋に触れる時間が多くなります」と、まだまだ成長の予感を感じさせる答えに、新年早々、藤井七段のさらなる活躍に期待が高まった。
文=渡部壮大
放送情報
新春! 藤井聡太に訊く
放送日時:2019年1月2日(水)12:00~ほか
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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