高倉健中井貴一の共演で謀略戦争を軸に描く忠臣蔵映画!石坂浩二宮沢りえら名優も名を連ねる秀作「四十七人の刺客」

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高倉健の主演で、「日本映画誕生100周年記念作品」として制作されたのが、1994年に公開された「四十七人の刺客」だ。

原作は赤穂浪士の吉良邸討ち入りでおなじみの「忠臣蔵」を独自に解釈した池宮彰一郎による同名小説。「ビルマの竪琴」、「犬神家の一族」など多くのヒット作を世に送り出した巨匠・市川崑がメガホンをとった。

高倉健、中井貴一の共演で池宮彰一郎による小説を映画化
高倉健、中井貴一の共演で池宮彰一郎による小説を映画化

(C)1994 東宝・日本テレビ・電通アドギア

高倉が演じているのは赤穂藩家老の大石内蔵助。中井貴一が大石と頭脳戦で対決することになる米沢藩の江戸家老・色部又四郎を演じている。藩の権力者・柳沢吉保役の石坂浩二を始め、浅丘ルリ子、宮沢りえ、森繁久彌ら映画史に名を残す俳優陣が多数出演しているという意味でも貴重な作品だ。

本作が4度目にして最後の時代劇出演作となった高倉は、市川監督とは初タッグ。石坂と中井は監督のセルフリメイク作として公開された「ビルマの竪琴」で共演している。当時の高倉には男らしくストイックな国民的大スターのイメージが定着していたが、従来の「忠臣蔵」とは異なる視点で描かれた大石は、赤穂藩主・浅野内匠頭(橋爪淳)の仇をとるために策略を巡らせ、軍資金も調達する頭脳派で行動派という役どころ。「悪に徹する」と自分に誓う男を、任侠映画のごとく迫力たっぷりに演じている。

一方、家名を守るために、浅野と吉良上野介(西村晃)の江戸城での刃傷事件を裏で画策する色部を演じるのが中井。今年4月より放送されていた小泉今日子とW主演のドラマ「続・続・最後から二番目の恋」では困り顔がチャーミングな味わい深い演技を見せたが、本作では30代前半のシュッとした美形の思案顔。高倉と中井の張り詰めた空気の中での演技の応酬も見逃せない。

■高倉健が演じるのは復讐を貫き、自身の心に嘘をつかない男

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放送情報【スカパー!】

四十七人の刺客
放送日時:2025年7月26日(土)12:30〜
チャンネル:WOWOWプラス 映画・ドラマ・スポーツ・音楽
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

詳しくは
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