藤井聡太七段の2019年度タイトル戦を展望!「朝日杯」「銀河戦」などにも期待

タイトル獲得に期待がかかる藤井聡太七段
タイトル獲得に期待がかかる藤井聡太七段

2年連続勝率1位、朝日杯2連覇、新人王戦優勝など、活躍を続けている藤井聡太七段。次に期待されるのはもちろんタイトル戦登場だ。これまでのタイトル戦の最年少記録は屋敷伸之九段が持っている。初のタイトル挑戦は1989年の「第55期棋聖戦」で、17歳10ヶ月で挑んだ。そのシリーズはフルセットの末に敗れたものの、半年後の「第56期棋聖戦」で再びタイトルに挑戦。今度は奪取し、18歳6ヶ月でのタイトル獲得で史上最年少記録となった。2019年7月に17歳の誕生日を迎える藤井は、今年度中にタイトルを獲得できれば挑戦、獲得の最年少記録を塗り替えることができる。史上最年少プロ棋士、史上最年少の棋戦優勝を果たした藤井だが、果たしてタイトル獲得の記録更新となるか。

■2019年度に登場の可能性があるタイトル戦

最もタイトル挑戦に近いといえるのが「第67期王座戦」だ。現在二次予選が進行中だが、藤井は挑戦者決定トーナメントから登場となる。挑戦者決定トーナメントは16人のトーナメントで、4勝すれば五番勝負に出場できる。前期は準決勝で斎藤慎太郎七段(当時)に敗れ、斎藤はそのまま王座を奪取することになった。

次にタイトル挑戦に近いのは「第32期竜王戦」だろう。藤井は2年連続でランキング戦を優勝し、今期は4組を戦っている。先日、準決勝でタイトルホルダーの高見泰地叡王(※「高」は正しくは「はしご高」)に勝ち、決勝に進出。4組は優勝者のみが決勝トーナメント進出となり、そこから4勝すれば挑戦者決定三番勝負に進める。

「第69期大阪王将杯王将戦」は現在、一次予選準決勝まで勝ち上がっており、次は北浜健介八段と対戦。勝てば、千田翔太七段、佐々木大地五段ら勢いのある若手強豪が勝ち上がってくることが予想される決勝だ。そして、二次予選で3連勝すれば7名だけが参加できる挑戦者決定リーグとなる。

「第45期棋王戦」も予選が進行中。藤井は現在、準決勝まで勝ち上がっており、次は牧野光則五段と対戦。勝てば、豊川孝弘七段と都成竜馬五段の勝者との決勝となる。藤井も前期は本戦に進出しているが、その時は初戦で菅井竜也王位(当時)に敗れている。

■タイトル戦以外にも注目の棋戦が目白押し

その他のタイトル戦では、「第90期ヒューリック杯棋聖戦」は二次予選決勝で久保利明九段に敗れたため次のチャンスは来期となり、「叡王戦」も第5期の七段予選から、「王位戦」も第61期の予選からと、来期に期待となる。一方「名人戦」は現在、藤井がC級1組のため、どれだけ早くても登場は4年先だ。

タイトル戦以外では、「新人王戦」「加古川青流戦」「YAMADAチャレンジ杯」の若手棋戦はすべて卒業。16歳の若さで卒業したことは、いかに藤井の出世が早いかの証明にもなっている。2連覇中の「朝日杯」は、2020年1月に始まる予定の第13回本戦トーナメントから。4月に開幕した「第69回NHK杯将棋トーナメント」はシードとなり本戦から登場し、初戦は阪口悟六段と対戦する。

「第27期銀河戦」は本戦トーナメントが進行中。現在、佐藤慎一五段、阿部健治郎七段、近藤誠也六段を破って3連勝中だ。次の畠山鎮七段に勝てばブロック最多連勝が確定し、決勝トーナメント進出。これまでも期待を超える活躍をし続けてきた藤井七段だが、2019年度はそれ以上の結果で周囲を驚かせてくれることだろう。

文=渡部壮大



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放送情報

第68期 王将戦 一次予選 杉本昌隆七段 vs 藤井聡太五段
放送日時:2019年4月28日(日)13:00~
※ほか、4月28日(日)~5月6日(月)は「藤井聡太プラチナウィーク」と題して藤井聡太を特集
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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