新型コロナの影響も...藤井聡太七段の4月対局を振り返る

いよいよ初のタイトル挑戦が近付いてきた藤井聡太七段。だが、新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が出され、4月11日から遠征を伴う対局は5月7日以降に延期となった。よって藤井の対局はすべて延期となるが、健康を維持して再開後に白星を重ねる姿を期待したい。
※対局予定棋士との対戦成績は藤井から見た過去の対戦成績

■第61期王位戦挑戦者決定リーグで4連勝

4月3日に第33期竜王戦3組ランキング戦準決勝で千田翔太七段と対戦。矢倉の出だしから藤井は急戦を目指す。千田の動きに強手で受けに回り駒得に成功。以下後手の猛攻を1手余して押し切った。これで2組昇級。3組決勝では杉本昌隆八段(1勝0敗)と師弟対決。勝てば4年連続の決勝トーナメント進出が決まる。

4月10日に第61期王位戦挑戦者決定リーグ白組で菅井竜也八段と対戦。菅井の三間飛車からお互いに美濃囲いに組む展開。中央での押し合いが続いたが、端から手を作った藤井が優位に立つ。最後は素早い寄せを決めて制勝。

これで白組リーグ4連勝。最終戦の阿部健治郎七段(1勝0敗)に勝てば5連勝で文句なしにリーグ優勝で挑戦者決定戦進出が決まる。敗れた場合は最終戦の羽生善治九段─菅井竜也八段戦の勝者が4勝1敗になるため、プレーオフとなる。最終戦の結果に関わらずリーグ残留以上は確定。なお、紅組は永瀬拓矢二冠が4連勝と星を伸ばしている。

4月28日に放映された第28期銀河戦Cブロック8回戦では、森内俊之九段と対戦。矢倉から藤井が急戦を仕掛ける。森内も反発して激しい展開になるが、巧みな指し回しを見せた藤井が制勝。これで連勝を3に伸ばした。9回戦では郷田真隆九段(初手合)と対戦する。この模様は囲碁・将棋チャンネルにて放送予定。

白星を重ねる藤井聡太七段

■順位戦の組み合わせ、AbemaTVトーナメントのチームが決定

第91期棋聖戦は決勝トーナメントベスト4に勝ち上がっている。準決勝では佐藤天彦九段(1勝0敗)と対戦。王位戦と棋聖戦はどちらもあと2勝でタイトル挑戦が決まる。もう一方の準決勝は永瀬拓矢二冠─山崎隆之八段戦。

第68期王座戦は進行なし。二次予選決勝では大橋貴洸六段(2勝2敗)と対戦する。

第79期順位戦の組み合わせが決定。今期B級2組に初参加の藤井は、同じく昇級してきた佐々木勇気七段(0勝1敗)と初戦で対戦する。

第70回NHK杯将棋トーナメント、藤井はシードで本戦からの登場になっている。1回戦は塚田泰明九段(初手合)と対戦。

3人1組の団体戦となる第3回AbemaTVトーナメントは永瀬拓矢二冠のチームに決定。増田康宏六段と3人で団体戦に臨む。

今年は残念ながら中止となってしまった詰将棋解答選手権チャンピオン戦だが、4月11日にネットで行われた一般戦に出題者として登場。久しぶりに詰将棋作家としての顔を見せた。

文=渡部壮大

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放送情報

第49期 新人王戦 決勝三番勝負 第2局 藤井聡太七段 対 出口若武三段
放送日時:2020年5月26日(火) 11:00~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
※段位は対局当時のものです

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