藤井聡太竜王、「上を目指したい気持ちが強かった」竜王戦を回顧

藤井聡太
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第34期竜王戦七番勝負で豊島将之竜王を4連勝で破り、初めて竜王位を獲得した藤井聡太竜王の竜王就位式が、東京・セルリアンタワー東急ホテルで開催。ステージには竜王位とともに史上最年少で四冠にも輝いた藤井竜王のほか、竜王戦ランキング戦各組優勝者となる1組・永瀬拓矢王座、3組・三枚堂達也七段、4組・梶浦宏孝七段、5組・青嶋未来六段、6組・折田翔吾四段の5人が登壇した。

藤井竜王は今期竜王戦でランキング戦2組からスタート。初戦を勝ち抜き、勢いに乗って同組を優勝すると、決勝トーナメントも制して、初の挑戦権を獲得した。豊島将之前竜王との7番勝負も4連勝という快挙を成し遂げ、そのまま頂点にのし上がった。

就位式では、藤井竜王に日本将棋連盟から竜王推挙状、読売新聞グループから竜王杯と優勝賞金4400万円が贈られた。さらに、ランキング戦各組優勝者の表彰も行われ、2組で優勝した藤井竜王を含む6人に記念メダルがそれぞれ贈呈された。

その後、師匠の杉本昌隆八段から花束が贈呈され、藤井竜王も笑顔に。来賓祝辞では、杉本八段から2016年12月に行われた加藤一二三・九段とのデビュー戦(第30期竜王戦6組初戦)について語られた。当時まだ中学生だった藤井竜王から「学生服でいいでしょうか」と相談され「なかなか学生服を着る年で出られるものではないので、ぜひ学生服で出てほしいと話した覚えがあります」と懐かしそうに明かした。

また、昨年の東京パラリンピック車いすテニスで金メダリストに輝いた国枝慎吾選手からビデオメッセージも寄せられた。「読売新聞の対談でお会いした時はシャイでキュートな19歳というイメージでした。でも、対局のために向かい合うと突風が吹き込んでくるかのような凛とした威圧感を感じて、その瞬間に鳥肌が立ちました」と、ただならぬ雰囲気を感じ取ったと回顧。テニスとの共通点についても語り「守るべきところはしっかりと守って局面を制した方が勝ったり、読み合いも含めて共通点が多い」と持論を口にすると「藤井竜王の伝説はまだまだ幕が開けた頃」と竜王に就位したことを称えた。

謝辞で藤井竜王は「今まで以上に上を目指したい気持ちが強かったです。初戦から決勝トーナメントに至るまで大変な対局ばかりでしたが、1手1手しっかり考えて指すことができました」と振り返った。七番勝負では「各地で素晴らしい対局場を用意して頂き、最高峰の舞台で対局できる喜びを強く感じました。中盤の形勢判断の課題を突き付けられた第1局、終盤が非常に難解だった第4局が印象に残っています。4連勝という結果は望外で自分の実力以上のものが出せたシリーズでした」と打ち明けた。さらにビデオメッセージを寄せた国枝選手へ感謝の気持ちを述べると「世界のトップで長きに渡って活躍されている国枝選手を見習って、今後より一層精進して参りたいです」と気を引き締めて挨拶を終えると、会場を訪れた関係者とともに乾杯を実施。気持ちを新たにしていた。

文・撮影=永田正雄

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放送情報

第71期 ALSOK杯王将戦 七番勝負 第4局 1日目 午前 渡辺明王将 vs 藤井聡太竜王
放送日時:2022年2月11日(金)8:45~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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