丸山ゴンザレスが語る脱獄モノが面白い理由「脱獄ってエンターテイメントの要素が全部入っている」

――脱獄を成功させる囚人たちに共通するものは?

「計画性とそれに対する努力ができる人たちがうまくいっていますよね。脱獄した後に関しては結末がそれぞれ違いますが、脱獄できる人っていうのは計画を立てられるだけの頭脳と知識がなきゃ駄目だし、それを実現するだけの人脈と力が不可欠で、それらが共通しています。ただ、それを踏まえてさらに共通して思うことは、『だったら、捕まる前にもっとちゃんとできたんじゃないか?』ということなんですけどね(笑)」

――刑務所での暮らしというのは「大きなリスクを伴ってでも脱獄したい」と思わせるほど辛いものなのでしょうか?

「多分、今まではみんな分からなかったと思うんですけど、コロナ禍になって『1カ所にとどまり続ける辛さ』っていうのを共通認識として分かったんじゃないでしょうか。傷付けられる"辛さ"じゃなくて、じわじわと『もう嫌だ!』ってなる"辛さ"。あれのもっと辛いやつだと思うと分かりやすいんじゃないかな。"行動を抑圧されることのストレス"っていうのは、全世界の人が体験したので、分かりやすくはなったんじゃないかなと思います」

――番組を観ていて、思い出した取材などはありましたか?

「メキシコの『麻薬王エル・チャポ』(#3)の脱獄は、麻薬関連の取材をふと思い出しました。麻薬が生む豊富な資金や人脈、エル・チャポのカリスマ性など、僕がメキシコ麻薬戦争を取材しに行った時もちょうどそのくらいのタイミングで、国の中にもう一つ別の勢力があるというのをすごく感じて...。そういう土壌がなくあのエピソードを観ると、にわかには信じられないかもしれないけど、僕は『それくらいできるだろうね』という感覚がありましたね」

――最後に番組の見どころやお薦めポイントをお願いします!

「番組の中で『脱走まであと何日』といったテロップが出てくるんですけど、さらっと伝えた期間中も"ただ淡々と地味な作業をずっとやり続けている"ということをしっかり想像して観ると、より感じるものがあるんじゃないかなって思います。再現ドラマとしてすごく緻密に描いているからこそ、描いていない想像を差し挟める部分で想像力を働かせてみると結構面白いかなと思います。『こんなことをずっと淡々としてるんだったら、絶対外の世界で普通に仕事していた方がいいのにな』と思わせられますし(笑)。

あと、登場人物のキャラクターですね。番組内でも紹介していますけど、基本的に有名な人たちなので、ちょっとネットで調べたらいろんなことが出てくるので、気になった人がいたら調べてみるとより面白いと思います。外部の情報を入れて観た方が面白いかもしれないですね。なぜかっていうと、このドキュメンタリーにはネタバレがないから。すでに"脱獄"って言っちゃっていて脱獄できることは決まっているので、だからこそネタバレを気にせず周辺情報をとにかくいっぱい集めながら観た方がより立体的に観られるんじゃないでしょうか」

(C)2022 A&E Television Networks. All rights reserved.

文=原田健

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放送情報

モーガン・フリーマンの華麗なる脱獄
先行放送:2022年4月3日(日) 19:00
本放送:2022年4月10日(日) 20:00 スタート 毎週(日) 20:00、25:30
チャンネル:ヒストリーチャンネル 日本・世界の歴史&エンタメ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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