2022年に福岡、京都、名古屋、札幌、東京の5都市で開催された、お笑いコンビ・チョコレートプラネットの単独ライブ「CHOCOHOLIC」がWOWOWライブで1月8日(日)に放送される。コントに定評のある彼らのネタをはじめ、コンビとしての魅力を、お笑い評論家のラリー遠田さんに伺った。
■大衆性とポップさのあるネタが世代を超えて支持
今やテレビで見ない日がない、"チョコプラ"の愛称でおなじみのチョコレートプラネット。彼らの原点であるコントライブの魅力について、お笑い評論家のラリー遠田さんはこう語る。
「一言では難しいですが、2人は器用なタイプだと思います。ネタが面白く、演技がうまく、モノマネができて、企画力があって、小道具を作るのもうまい...と、いろんな強みがある。ネタの種類も多く、そもそもボケとツッコミの役割が明確に分かれておらず、ネタによって変わります。また、ポテトチップスの袋を開けるためにお金を払って業者に頼むという、彼らの代表的なコント『業者』のように、2人ともおかしな世界にいるのに普通に振る舞うシチュエーションボケもある。加えて、同級生が有名人ではないかと勘繰るコント『GReeeeN』のように一個のことをしつこくやるネタもあれば、小道具メインのネタ、モニターで見せるネタもあり、魅せる手数がとても多いです」
チョコレートプラネットは、長田庄平がネタをはじめ、コントの小道具制作を担当している。
「芸人さんは自分で小道具を作る人が多いですが、中でも長田さんは手先が器用な方だと思います。その最たるは、2014年の『キングオブコント』決勝で使った、コント『業者』でのポテトチップスの油分を自動で拭き取る"ポテチクリーナー"じゃないですか?普通の人には作れない物だと思いますが、長田さんには思い付く発想力と、作ることのできる技術の両方があるんですよね。また、長田さんのアイデアには誰が見ても分かる大衆性とポップさがあるからこそ、世代を超えてウケているんだと思います」
その長田のネタに呼応する松尾駿も個性が際立つ。
「甲高い声と何にでも成り切れる演技力を持つ"ザ・コメディアン"。見た目のかわいらしさで面白くできてしまうし、同じセリフでも松尾さんが言うと笑えてしまう。天性のコメディアンだと思います」
ラリーさんが感じる、コンビとしての魅力とは?
「職人っぽいコンビだと思います。2人と仲が良いシソンヌはネタ担当のじろうさんが芸術家タイプですが、長田さんは職人気質で対照的。例えば『業者』の設定を別ネタでやることもできますが、それを行わない。常に新たなことに挑む探究心もすごいですね」
ライブは、そんな彼らの魅力を存分に味わえるコンテンツだ。
「ライブは小道具を使用したり、舞台設定を使うなど、派手な展開を楽しむことができる場。そして2人の演技力と、世界観をつくり上げるうまさがより味わえる場だと思います」
らりー・とおだ●1979年生まれ、愛知県出身。番組制作会社勤務を経てフリーライターに。お笑い評論家としてテレビやお笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたり活動。「お笑い世代論〜ドリフから霜降り明星まで〜」(光文社新書)など著書多数。
取材・文=及川静
放送情報
チョコレートプラネットLIVE TOUR 2022「CHOCOHOLIC」
放送日時:2023年1月8日(日)16:00~
チャンネル:WOWOWライブ
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