EDMやR&B、レゲエなどのようにしっかり定義付けされたものから、時代や流行によって、その"色"をさまざまに変化させるJ-POPやK-POPまで、一度では簡単に把握することが難しいと思えるほど多岐にわたって広がりを見せる音楽ジャンル。その中でも演歌は日本独自の音楽ジャンルとなっており、はっきりとした定義というものは存在しないものの、小節(こぶし)やビブラートを多用する歌唱法や、歌唱時における和服の着用、歌詞の世界観など、独特な世界を築き上げてきたことは間違いないだろう。
そして演歌といえば、これまでは"主に中高年層が聞く音楽"というイメージが、若年層の間では先行してきたように思える。しかし、だからといって歌い手までもが、中高年層というイメージを持つのは早計だ。例えば2000年に「箱根八里の半次郎」でデビューし、一大ブームを巻き起こした氷川きよしは、デビュー当時まだ22歳だった。そして彼の活躍もあってか、その後も山内惠介や三山ひろしら若手演歌歌手の活躍は華々しく、演歌というジャンルは若者からの注目を再び集めるようになっていった。
そのように演歌が再び脚光を浴びつつあるなか、演歌界で勢いのある女性演歌歌手・市川由紀乃、丘みどり、杜このみの3人が、2018年4月に新ユニット「雪・月・花~新演歌三姉妹~」を結成。デビュー25周年を迎えた市川由紀乃を筆頭に、昨年NHK紅白歌合戦に初出場を果たした丘みどり、29歳という若手ながら民謡で培った歌唱力を持つ杜このみが集い、9月3日に東京国際フォーラムでユニット初となるコンサートを開催した。
この日、「雪・月・花~新演歌三姉妹~」として姿を見せた3人は、市川が"雪"、丘が"月"、杜が"花"の担当として登場。それに伴って、各ファンも"雪組"、"月組"、"花組"として盛り上がりを見せ、市川ら3人は自身の持ち歌の他、山口百恵の「いい日旅立ち」や、美空ひばりの「東京キッド」など、昭和時代を彩った人気楽曲をカバーし、その伸びやかかつ情感豊かな歌声を駆け付けたファンに届けた。
10月1日にはNHK大阪ホールでも同コンサートを開催し、新ユニットながら大盛況に終わった今回のステージ。本コンサートでは演歌だけでなく、松田聖子の「赤いスイートピー」など誰もが知っている昭和歌謡も多く披露されている。演歌は真正面から受け止めようとすると、なかなかとっつきにくい部分もあることは否めない。しかし視点を変えて、知っている曲を取り掛かりにしたり、彼女たちの人柄に触れたりと、身近なことから演歌に興味を持つのも良いことではないだろうか。
【市川由紀乃・コメント】
松田聖子さん、中森明菜さんの時代に生きてきたので、ずっと聴いていた曲で、歌わせていただくのは今回が初めてでとても嬉しいです。お客さまから「うちの方にもきてよ」というお声をきいているので、各地でまたこの3人でのコンサートを多くの方に観ていただけたらと思います。
【丘みどり・コメント】
由紀乃さんは歌手としてだけでなく、一人の女性として憧れの先輩です。このみちゃんは三人姉妹では末っ子なのですが、すごくしっかりしていて。困った時にこのみちゃんを見ると助けてくれてます(笑)。振付と歌詞で頭がいっぱいでしたが、無事に最後まで楽しみたいと思って頑張りました。
【杜このみ・コメント】
ファンの皆さんの浮気も心配なんですけど(笑)、これで3人共好きになっていただいて、3人とも応援するよと言ってもらえたら嬉しいなという気持ちです。3人の新曲があったらいいなと日々気持ちが大きくなっています。どんな新曲を作ってもらえたらいいかなと考えたりもしますね。
文=椋鳥
放送情報
市川由紀乃・丘みどり・杜このみ「雪・月・花~新演歌三姉妹~」in国際フォーラム
放送日時:2018年10月20日(土)12:00~
チャンネル:BSスカパー!
※11月11日(日)13:00~チャンネル銀河でも放送
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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