ソロデビュー20周年を迎えたGACKTが見せる「表現者」としての多彩な魅力

"表現者"として、音楽はもちろん、幅広いフィールドで活躍しているGACKT。バンド活動を経て、99年にソロ活動を始動。2020年はソロ活動20周年という大きな節目を迎えた。

99年4月に埼玉・大宮アルシェでソロライブ「Gackt Easter Live 〜復活〜」を開催し、5月にミニアルバム『Mizerable』をリリース。6月にはミニアルバムのタイトル曲「Mizerable」を1stシングルとしてリリースした。続いて同年8月に発表した「Vanilla」をはじめ、疾走感溢れる「ANOTHER WORLD」、温かみのあるウインターソング「12月のLove Song」、アコースティックサウンドに乗せて優しく切なく歌う「Last Song」、大切な人への想いを綴った「君に逢いたくて」など、これまでに48枚のシングルをリリースしてきた。男性ソロアーティストのシングルTOP10獲得数は歴代1位。デビュー以来、その人気の高さをキープしていることを証明している。

"演技"においても豊かな表現力で高い評価を得ているGACKT。2007年のNHK大河ドラマ「風林火山」で演じた上杉謙信もハマり役だった。2012年放送のドラマ「戦国BASARA-MOONLIGHT PARTY-」で織田信長を演じ、GACKTの威風堂々とした佇まいが戦国武将と相性がいいことに改めて気付かせてくれた。ハマり役と言えば、北川景子主演のドラマ「悪夢ちゃん」での主人公の夢の中で馬に乗って現れる"夢王子"とマッドサイエンティスト的雰囲気の夢研究分室准教授・志岐貴もピッタリの役だった。

それらを上回るハマり具合で話題となったのが、昨年公開された「翔んで埼玉」。二階堂ふみとのW主演で、GACKTは"隠れ埼玉県人"の麻実麗を演じた。「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ」など、インパクトのあるフレーズが飛び出す物語で、GACKTと二階堂ふみをはじめ、京本政樹、伊勢谷友介ら出演者が熱い演技で観客を魅了。興行収入37億円を超える大ヒットに。日本アカデミー賞でもこの作品は多くの部門で賞を獲得し、GACKTも優秀主演男優賞を受賞。

音楽、演技以外でGACKTの凄さを多くの人に知らしめたのはお正月の恒例番組「芸能人格付けチェック」。俳優、タレント、ミュージシャン、アイドルなどが味覚や音感など、６つのジャンルの格付けに挑むという内容で、"一流芸能人"からスタートし、間違えるごとに普通、二流、三流、そっくりさんへと降格。さらに、"映す価値なし"になると画面から消滅する仕打ちを受けることになる。すっかり常連となったGACKTは今年の番組で個人連勝を62に伸ばし、Twitterのトレンドにも入っていた。まさに違いのわかる男として一目置かれる存在になっている。

"表現"において、2020年も新しいチャレンジをスタートしている。それはYouTube。元日に公式チャンネル「がくちゃん GACKT official YouTube」に1本目の動画を投稿し、新年の挨拶と共に「YouTube荒らしに来ました！」と宣言。ドッキリ企画や自宅トレーニング、「GACKTの負け方」講座など、普段見られないGACKTの姿が垣間見える内容になっており、登録者数も27万人を突破。今後も面白い展開になりそうだ。

多岐に渡る活動を行なっているGACKTだが、今年1月から4年ぶりとなる全国ライブツアー「GACKT 20th ANNIVERSARY LIVE TOUR 2020『KHAOS』」を開催。ライブの開催が決定した際の「20周年でしか見せないライブだ。もう二度とこんなライブはやらんぞ！」というツイートに対するファンの反響は大きく、期待も膨らんでいった。最終の福岡公演は残念ながら延期となってしまったが、2月11日の東京国際フォーラム ホールAでの公演が4月29日にWOWOWライブで放送されることが決定。ソロ活動の20年を一緒に歩んできたファンへの想いを込めたステージは、歌、サウンド、演出、セット全てが豪華。アーティストとしての魅力を改めて感じられるものになっている。

このライブの他に、4年前のツアー「GACKT JAPAN TOUR 2016 LAST VISUALIVE 最期ノ月 -LAST MOON-」とMV特集「GACKT 20th ANNIVERSARY MUSIC VIDEO COLLECTION」も4月29日に放送される。20周年を迎えたGACKTの魅力をたっぷりと楽しんでもらいたい。

文＝田中隆信

この記事の全ての画像を見る