歌手や俳優が雲の上の存在だった昭和の時代に"スーパースター"の名を欲しいままにした沢田研二と郷ひろみ。彼らがNHKで共演した伝説の歌番組『ふたりのビッグショー「沢田研二・郷ひろみ」』が、ホームドラマチャンネルにて放送される。ゴージャスすぎる組み合わせでお互いの大ヒット曲をツインボーカルで披露する映像はDVD化されていないこともあり、当時の2人の活躍っぷりを知らない世代にとっても貴重なシーンの連続。ザッツ・エンターテインメントなショーを繰り広げた沢田研二、郷ひろみのスター性とは?
■沢田研二は郷ひろみにとって憧れの存在だった?
グループサウンズブームの1960年代後半にザ・タイガースのボーカリストだった沢田研二(愛称はジュリー)は抜きん出た美しい顔立ちと甘い歌声で当時から女子に大人気。1971年にソロデビューして以降も「危険なふたり」、「勝手にしやがれ」、「時の過ぎゆくままに」、「TOKIO」など大ヒット曲を放ち、年上の女性との禁断の恋を思わせるセクシーでロマンティックな世界観を表現。当時の歌謡界ではとがりまくっていた奇抜なメイクと衣装で新曲を発売するごとに世間をザワつかせる存在でもあった。
郷ひろみは沢田がソロデビューした翌年の1972年に「男の子女の子」で歌手デビューを果たし、「よろしく哀愁」で初のオリコンチャート1位を獲得。中性的でキュートな魅力を放ち、瞬く間に大スターに。ドラマ「ムー一族」(TBS系)に出演し、挿入歌として樹木希林とデュエットした「林檎殺人事件」も社会現象になった。沢田研二は「8時だョ!全員集合」にたびたび登場し、ドリフとからんでコントで爆笑させ、郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎の"新御三家"が出演したバラエティ番組「カックラキン大放送!!」にもゲスト出演。
そんな2人の共通点は"そこまでやるの?"と思われる出で立ちで笑わせても"スター"のオーラがまったく損なわれなかったことだろう。生活感ゼロの華やかなカリスマ性は不変であった。郷ひろみが芸能界の先輩である沢田研二の悩殺パフォーマンスを参考にしていたと雑誌の対談時に語っていたというエピソードもうなずける。
■「ふたりのビッグショー」の沢田と郷のパフォーマンスは神回
大ヒット曲をツインボーカルというスタイルで次々に歌っていく番組は、めったに見られないシーンの連続。2人が並んで歌っているだけでもレアだが、「お嫁サンバ」の後半で沢田研二がサンバのリズムに合わせてノリノリで激しく踊り出し、郷に「そこまでしなくても」と笑って止められるシーンや、「TOKIO」で2人がステージの上手と下手に走って歌い、沢田がセンターの先端ギリギリでパフォーマンスし、郷に「沢田さん落ちますよ」と言われたり、長いつきあいの2人ならではのコラボレーションが最高だ。
そして再確認したのは2人の声の個性。沢田研二の艶やかで伸びのある歌と、郷ひろみのやや鼻にかかったリズミカルな歌が、ビジュアルや存在感のみならず、やはりワン・アンド・オンリーだと思わせてくれる。
文=山本弘子
放送情報
ふたりのビッグショー「沢田研二・郷ひろみ」
放送日時:2020年5月30日(土)18:30~
チャンネル:ホームドラマチャンネル 韓流・時代劇・国内ドラマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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