かつて圧倒的な視聴率を誇った音楽番組「ザ・ベストテン」「ザ・トップテン」。ラジオDJとして数多くのアーティストや楽曲の魅力を伝え続けている赤坂泰彦が、2番組の魅力を語る。
'78年から'89年まで放送された「ザ・ベストテン」。"木曜日夜9時"は、この番組を見るために多くの人たちがテレビに釘付けであった。
「『ザ・ベストテン』は音楽専門ではない方が司会を務められていました。黒柳徹子さんという信頼できる方、そして久米宏さんがいたことによって、すごく報道的な放送スタイルになっていたような気がします。生放送で、スタジオに来られない方を地方や新幹線のホーム、コンサート会場まで追っかけていましたよね。そこに報道番組っぽさを感じました」
どの歌手の歌がランクインするのか?という期待はもちろん、出演するのか?どこから中継されるのか?といった生放送ならではの緊張感と臨場感も、番組の大きな魅力となっていた。
「アーティスト名と曲名がパタパタ回転して現れて、ミラーゲートを通って登場する。郷ひろみさんや吉川晃司さんなど、出演者や曲の世界観に合ったセットを組んで、最後は出演者全員で『はい、チーズ!』と写真を撮る。好きな歌手だけを見るのではなくて、10位から1位まで、歌も演出も全部が楽しみな番組でした」
赤坂さんは、'84年に東京JAPのメンバーとして人気コーナー"今週のスポットライト"に出演し、「摩天楼ブルース」を演奏。
「セットの裏側はこんな感じなんだ、と貴重な経験でした。緊張していてあまり覚えてないんですけど、最後に撮った記念写真は今も大事に持っています(笑)」
堺正章と榊原郁恵が司会を務め、'81年から'86年まで主に渋谷公会堂(当時)から放送された「ザ・トップテン」も伝説の歌番組。
「もし出られれば、満員のお客さんの前で歌えるわけですから、そのライブ感が大きな魅力。いろいろな歌手やアーティストが登場しますが、お客さん側も1時間の一つのショーを楽しむ感覚で見ていたと思います」
音響(サウンド)もライブと同じクオリティーで届けられていた。「ライブをするのと同じレベルでの音作りをされていましたし、カメラもお客さんを多く映していました。お客さんが盛り上がっている様子を伝えることで、会場の熱気もより伝わってくるんです。2番組ともタイプは違いますけど、'90年代以降の音楽番組に大きな影響を与えています。当時の映像を見て、そういう点を見つけるのも楽しいと思いますよ」
あかさか・やすひこ●'59年生まれ。ラジオDJや番組MC、ナレーターとして活躍中。現在は「歌謡プレ ミアム」(BS日テレ)、「ラジオマンジャック」(NHK FM)にレギュラー出演中。
取材・文=田中隆信
放送情報
ザ・ベストテン
放送日時:2020年9月17日(木)21:00~
ザ・ベストテン特別対談 黒柳徹子×近藤真彦 第2弾
放送日時:2020年9月24日(木)21:50~
チャンネル:TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ
ザ・トップテン
放送日時:2020年9月5日(土)18:30~
チャンネル:ホームドラマチャンネル 韓流・時代劇・国内ドラマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
詳しくはこちら