時代を超えて愛される...唯一無二のスーパースター・西城秀樹の音楽

「ときめき夢サウンド ブラジルの風」より
「ときめき夢サウンド ブラジルの風」より

野口五郎、郷ひろみと共に"新御三家"と呼ばれ、絶大な人気を誇った西城秀樹。2018年5月に63歳で逝去した後も、彼の歌は多くの人に聴かれ、日本の音楽シーンにおけるその存在の大きさを再認識させられている。

西城秀樹が「恋する季節」でデビューしたのは1972年。60年代後半からGS(グループサウンズ)ブームが終焉を迎え、日本の音楽界・歌謡界に新しい潮流が生まれようとする時期だった。1971年5月に野口五郎が「博多みれん」でデビューし、1972年3月に西城秀樹、同年8月に郷ひろみが「男の子女の子」でデビュー。ほぼ同時期でのデビューとなったが、野口は演歌路線、郷はアイドル系ポップス、西城はワイルドなロック系ポップスといった感じでスタイルが違っていて、それぞれの個性が際立っていた。

「ときめき夢サウンド 砂に書いたラブレター」に出演した西城秀樹

(C)NHK

昭和の歌手・アイドルはデビュー時にキャッチフレーズが付けられることが多かったが、西城は「ワイルドな17歳」。デビューシングルの曲調や当時のルックスなど、まさにその言葉にピッタリだと言える。1973年5月に発売した5枚目のシングル「情熱の嵐」で大ブレイク。派手な振り付けとコール&レスポンスができるタイプの曲ということで、歌番組でも大盛り上がり。ヒット・チャート初のベストテン入りを果たした記念すべき曲でもある。その勢いで、次作の「ちぎれた愛」はチャート1位を獲得した。

1974年は西城にとってさらなる飛躍の年となった。「激しい恋」「傷だらけのローラ」といった代表作となる曲を発表し、大晦日の「NHK紅白歌合戦」に初出場。この年、スタジアムでのワンマンライブを大阪球場で開催。この公演で、巨大クレーンを使ったゴンドラでの歌唱やヘリコプターを使った演出、レーザー光線など、ライブにおけるパイオニア的存在でもあった。ドラマ「寺内貫太郎一家」にレギュラー出演したことなどでも、さらに人気を高めた。

「ときめき夢サウンド 今夜は歌おうポール・アンカとニール・セダカ」より

(C)NHK

その後も、1975年に日本武道館でリサイタルを開催し、1976年にはハワイ公演も実現。1979年発売の「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」はミリオンヒットを記録。

1980年代は「ギャランドゥ」などのオリジナル曲のほかに、元々自身が好きだった洋楽にもチャレンジしている。1990年代の大きなトピックと言えるのが1991年にリリースした「走れ正直者」。人気アニメ「ちびまる子ちゃん」のエンディングテーマに起用された曲だが、大ヒットを記録。コミカルでエンターテインメント性の高い楽曲が西城の歌声とフィットして、国民的人気と言える作品となった。

時代の変化と共に音楽の流行も変わっていったが、西城の歌に影響を受けたアーティストがデビューして、西城秀樹イズムは継承されていった。1997年にリリースしたトリビュートアルバムにTHE HIGH-LOWS、SOPHIAの松岡充らが参加し、X JAPANのYOSHIKIはシングル「moment」をプロデュース。親しみのある雰囲気もありながら、偉大なスーパースターでもある西城。亡くなった後も、多くの人たちが歌を聴き続け、アーティストたちが意志を引き継いでいることを考えても、やはり唯一無二な存在だと言える。

「ときめき夢サウンド ブリティッシュ・ビート」より

(C)NHK

そんな西城が出演した番組「ときめき夢サウンド」が衛星劇場で放送される。この番組は1994年から放送された音楽番組で、その当時、世界的に見直されてさまざまな音楽シーンで輝きを見せている往年のスタンダードナンバー、日本人にも親しまれてきたポピュラーソング、映画音楽、ジャズの名曲などをオーケストラやビッグバンドの演奏で披露。洋楽カバーも多くリリースしてきた西城だけに、この番組でも原曲の良さと西城らしさの両方をしっかりと伝えてくれる。

文=田中隆信

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放送情報

ときめき夢サウンド 砂に書いたラブレター
放送日時:2021年9月12日(日)10:30~
ときめき夢サウンド 今夜は歌おうポール・アンカとニール・セダカ
放送日時:2021年9月12日(日)11:00~
ときめき夢サウンド ブラジルの風
放送日時:2021年9月26日(日)10:30~
ときめき夢サウンド ブリティッシュ・ビート
放送日時:2021年9月26日(日)11:00~
チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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