WANIMAと時代の親和性は歌詞にあり 名フレーズから解き明かす

今夏は全国のフェスを席巻し、ロックキッズを魅了したWANIMA。一方で、数多くのタイアップも獲得し、その楽曲はお茶の間でも親しまれている。パンクロックを出自としながら、幅広いフィールドにいる人の心を掴む稀有なバンドとなった彼ら。そのポイントは歌詞にあるのではないか?と考察し、彼らの楽曲の中から3つの名フレーズをピックアップ。来年1月17日にニューアルバム『Everybody!!』をリリースすることも発表され、さらなるブレイクが期待される今、彼らと時代の親和性を探る。

"涙こらえ笑って生きてる 崩れそうになりながら毎日びびってる"『ともに』

2016年8月にリリースされた2ndシングル『JUICE UP!!』の1曲目を飾り、ニベア花王「8×4ボディフレッシュ」のCMソングとしても流れた楽曲。アッパーな曲調にのせて、矢継ぎ早にメッセージが届けられる。"出逢えてよかった ありがとう この想いよ 届け"に象徴されるように、聴き手に対する感謝とも受け取れる楽曲だが、それとともに、上記のフレーズのように"びびってる"などと本音をむき出しにしているところがWANIMAらしい。不安定な世の中で、崩れそうな心を奮い立たせている人、毎日びびりながら踏ん張っている人はたくさんいる。終盤には"生きて耐えて時に壊れ泣いて迷う影に笑顔咲き誇る 生きていれば...命さえあれば..."というフレーズも。決して大袈裟じゃない。本物の笑顔と命の輝きが、ここにある。

"雨あがりの空の下で哀しみが綺麗に乾くまで"『CHARM』

2017年5月17日にリリースされた3rdシングル『Gotta Go!!』の1曲目であり、CMソングに起用されたことで老若男女に聴かれることとなった楽曲。心地いいテンポ感で、ライブなどでは観客も一緒になって"フレーフレー"と歌う、まさしく"みんなの歌"。"変わらない生まれた町は飾らないぬくもりをくれた"と、ふるさとを思わせるフレーズを経て歌われるのが、上記の"雨あがり~"というフレーズだ。"哀しみ"という雨があがっても、それが綺麗に乾くところまで願い続けるという意思が感じられ、彼らの真摯なキャラクターが伝わってくる。天災などから、ふるさとを想うことも増えたここ数年。リアルに染み渡る名フレーズだ。

"寄り添って生きてる どんな時も 戦い続ける日々に幸あれ"『これだけは』

『CHARM』と同じく、『Gotta Go!!』に収録。日本マクドナルド「マックシェイク×カルピス」CMソングに起用された。"これだけは忘れないで 離れていてもここにいる"という温かな呼びかけからはじまる、軽やかなナンバーだ。特に秀逸なのは終盤で、"冷たい水掻き分け 震える足で辿り着くまで 増える荷物を抱え 痛みに慣れて楽になるまで"というフレーズは、さながら現代版の『雨ニモ負ケズ』(宮沢賢治)のよう。夢や希望を見せるだけではなく、現実と向き合いながら生きる姿勢を見せる――それが今のポップミュージックの在り方と言えるのかもしれない。そして締め括りに登場するのが、上記の"寄り添って~"というフレーズだ。様々な境遇を"戦い"ながら生きなければいけないこの時代に、"寄り添ってくれる"彼らの音楽の意義が聴こえてくる。

すべてタイアップが付いている最近の楽曲からピックアップしたが、他の楽曲にも数多くの名フレーズがちりばめられているので、ぜひ注目してみて欲しい。また、名フレーズのみならず、ちょっとエッチな歌詞も彼らのリアリティーを引き立たせている。『MTV』で放送されるWANIMA 特番では、そんな彼らの魅力が余すことなく詰め込まれる予定。こうご期待!

Writer:高橋美穂

※この記事はヨムミル!ONLINEの転載になります。

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放送情報

WANIMA VideoSelects

放送日時:2017年12月16日(土)22:00~

チャンネル:MTV HD

WANIMA Live Selection
放送時間:2017年12月16日(土)22:30~

Making The Video: WANIMA「ヒューマン」
放送時間:2017年12月16日(土)23:00~
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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