ゲスの極み乙女。が初の全編アコースティックライブに挑む

世界のトップアーティストが出演する、独創的で個性あふれるアコースティックライブ「MTV Unplugged」。日本制作としては宇多田ヒカルや平井堅など、これまでに34組が出演し、アンプラグドならではのステージを披露してきた。

そんな伝統ある番組に、ロックバンド・ゲスの極み乙女。が登場。プログレやヒップホップなどを基調としたクセのある独自のサウンドと、卓越したテクニックで独自のスタイルを貫いている彼らが初めて全編アコースティックというライブに挑んだ。その模様が5月12日(土)にMTVにて放送される。本番収録を前に、川谷絵音、休日課長、ちゃんMARI、ほな・いこかの4人にライブに臨む気持ちを直撃した。

「MTV Unplugged」への出演が決まった時、どんな気持ちでしたか？

川谷絵音（以下、川谷）「音楽をやっている人ならだれでも知っている番組で、自分の中で思い入れのある番組です。でも自分たちがやっている音楽のことを考えると、この番組は遠く感じていたので、まさか出る側になるとは思ってなかったです。うれしいんですけど、すぐには実感が湧いてこなかったですね」

ちゃんMARI「私も同じで、現実味がなくて。リハーサルが始まってからやっと実感したくらいです。大変なことになったなって（笑）。でも大きなチャンスだと思いました」

ほな・いこか「私は宇多田ヒカルさんが出演した時の映像を結構な回数見てきたので、『あれに出るんだ！』っていう気持ちでした」

休日課長「僕はエリック・クラプトンの印象が強いです。あれに出られるんだっていううれしさがある反面、アンプラグドのベースって何をやればいいんだ？とも思いました。結果ウッドベースに挑戦することになりました」

全編アコースティックというライブが初めてということですが。

川谷「そうですね。あまりアコースティックというイメージが僕らにはないと思うし、僕がアコギを持っているイメージもないと思うんですが、曲を作る時はアコギを使ったりしているんですよ。僕らの曲はアレンジが複雑で、歌を殺しにかかるくらいの勢いで複雑なことをやっちゃっているんで（笑）。でもアンプラグドはその辺を抑えめにしているので、曲の良さというのを改めて感じてもらえればいいかなって思っています」

休日課長「今回ウッドベースを弾くということで、年始から必死にやってきましたけど、自分でも気付けてなかった良さに気付いたりしました」

ちゃんMARI「私は一部、ローズ(・ピアノ)とか鍵盤ハーモニカを使ったりする曲もありますけど、ほとんどの曲はグランドピアノで弾いています。アコースティックだと他の人の息遣いも近くに感じられたりするので、いつもと違う感じが新鮮で、純粋に楽しいなって思いました」

ほな・いこか「ドラムは、マイクを立てるくらいで、普段からアンプラグドですから、私自身はそんなにやることは変わってないです。でもグランドピアノやウッドベース、それに管楽器や弦楽器が加わるというので、アコースティックでしか出せない音が聴こえてくるのがリハの時から楽しくて、ワクワクしながら演奏していました」

同時代で活躍しているバンドやアーティストで意識しているグループはいますか？

川谷「サカナクション、米津（玄師）くん、People In The Box、THE NOBEMBERSは、新曲が出るのを楽しみにしていて、いつも新譜が出るたびにかっこいいなと思います」

普段、メンバー同士で集まったりするんですか？

ちゃんMARI「普段はないんですけど、今回は川谷君の家でアレンジするためにみんなで集まったりしました」

みんなで集まる時の話題はやっぱり音楽ですか？

ちゃんMARI「そうですね。『この人たち、いいよね』とか、話したりします」

川谷「この前、4人でラジオ番組をやったんですけど、それぞれが好きな音楽を語るという内容だったんです。あれ、面白かったね」

ちゃんMARI「みんなちょっとずつ違うんですけど、ジャンル関係なく、いいと思ったものを聴いてる感じです」

川谷「一度、ライ(RHYE)のライブで全員が揃ったことがありましたね」

ほな・いこか「偶然に。みんな別々でチケットを取って（笑）」

川谷「『みんなで行こう』っていうんじゃなくて、本当に偶然だったんです。びっくりしたね」

では最後に、「MTV Unplugged：Gesu no Kiwami Otome.」の見どころなどを教えてください。

ちゃんMARI「普段よりも歌がすごく聴こえてくると思うので、曲の良さがわかると思います。部屋でゆったりとした気持ちで見てもらえれば」

ほな・いこか「チャンネルを変えずにぜひ最後まで楽しんでください」

文＝田中隆信　撮影＝伊東武史

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