クリント・イーストウッド(1930年5月31日生まれ)はまもなく93歳になる。同い年であるフランスの鬼才監督、ジャン=リュック・ゴダールが昨年9月に91歳で逝去した今、映画監督として、映画俳優として、彼こそが唯一無二の頂点に立ち続ける現役の映画神――「シネマの象徴」と言えるだろう。
2021年には主演も兼ねた監督第40作『クライ・マッチョ』を発表。『許されざる者』(1992年)では第65回アカデミー賞で作品賞・監督賞ほか計4冠を獲得し、『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)もまた第77回アカデミー賞で作品賞・監督賞ほか計4冠に輝いたイーストウッド。だが、そのキャリアは決して順風満帆な道のりだったわけではない。むしろハリウッドの異端児――映画の中でよく演じる役柄同様、孤高のアウトサイダーとして独自のキャリアを切り拓いてきた。自身の製作会社「マルパソ・プロダクション」(マルパソはスペイン語で「悪路」の意)を運営し、マイペースで放たれる監督作には、業界のシステムから距離を置いた個人映画の手触りや肌触りがある。
■マカロニ・ウエスタンでの成功を経て40代にしてスターの地位を獲得した遅咲き
では、ざっくりその栄光の「悪路」を振り返ってみよう。まずは1954年からユニバーサルの新人俳優として下積みを始め、1959年から放送されたテレビシリーズの西部劇「ローハイド」の副隊長ロディ・イェーツが当たり役となる。だが、まだ映画界の第一線には遠いポジションだった。
イーストウッドがスターダムにのし上がったのは、ハリウッドではなく、当時の新興ジャンルであったイタリアの西部劇――マカロニ・ウエスタンである。無名の新人だったセルジオ・レオーネ監督からオファーを受け、欧州にはるばる遠征する形で『荒野の用心棒』(1964年)に主演。「まがい物」とも見做されたB級ジャンルだが、伝説のテーマ曲「さすらいの口笛」などエンニオ・モリコーネの斬新な音楽の魅力もあり、大衆からの人気が爆発。スペインなどの土地を米西部に見立て、雑多な国や出自の役者を起用し、劇的な誇張で無法者を描くマカロニ・ウエスタンの暴力的な世界は、建国神話を背景とした本家ハリウッド西部劇のカウンターやアンチテーゼだったと言っていい。
(C) 1965 P.E.A. Films, Inc. All Rights Reserved.
この特殊でオルタナティヴな西部劇の顔となったイーストウッドは、初期の代表作『夕陽のガンマン』(1965年)や『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』(1966年)の成功を得て、ハリウッドに凱旋。ドン・シーゲル監督と組んだ『ダーティハリー』(1971年)の大ヒットで、本格的にアクションスターとしての地位を手に入れるが、すでに年齢は40代に突入していたのだから完全に遅咲きの部類である。
(C) 1966 P.E.A. Films, Inc. All Rights Reserved.
アメリカに戻ったイーストウッドは、『恐怖のメロディ』(1971年)から監督業もスタートさせる。俳優として組んだ2人の師匠――セルジオ・レオーネとドン・シーゲルからの影響をたっぷり受けた彼の映画術は、しかし監督第2作『荒野のストレンジャー』(1973年)で早くも独自の抽象性を帯びている。
イーストウッドが自ら演じる、亡霊のような流れ者のガンマン。その異色の主人公像と世界像をさらに発展させたのが、1985年の傑作『ペイルライダー』だ。まるで白日夢のように陽炎がゆらめくカリフォルニアの荒野にふらりと現われたイーストウッド扮する流れ者は、やはり亡霊――つまり「死んだ男」だ。彼はかつて自分を殺した保安官たちへの復讐を果たし、黄泉の国に帰っていくかのように町を去る。それはアメリカ的なヒロイズムの裏で、血塗られた暴力の歴史を繰り返してきた西部劇というジャンルへのレクイエムのような批評性を孕んでいた。
(C) Warner Bros. Entertainment Inc.
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