ソン・ヘギョ主演の復讐劇「ザ・グローリー」でインパクトを放ったイ・ドヒョン、スターへと駆け上がったその変遷

「Sweet Home －俺と世界の絶望－」で世界的注目を集めたドヒョンが、その評価をさらに高めた注目作が、翌年に主演した「五月の青春(原題)」だ。GWにKBS Worldで一挙放送される本作は、1980年5月に韓国で起きた光州民主化運動を背景としたヒューマンドラマ。激動の時代に、運命のように惹かれ合う男女の恋模様が切なく、そして鮮烈に綴られていく。

ドヒョン演じるのは、民主化運動の熱気にも無関心で、お金の工面に奔走するソウルの医大生・ヒテ。"未婚の母の息子"に対する偏見に立ち向かってきた彼が、故郷の光州に戻り、友人の代理でお見合いにやってきた看護師のミョンヒに心を奪われていくところから物語は動き出していく。

道の向かいから恥ずかしげもなく手を振ったり、酔っ払って愛を告白したりと大胆に想いをぶつけるお気楽な学生を、ドヒョンはコミカルな芝居を交えながら表現。加えて、優しさに満ちた笑顔や真剣な眼差しもさりげなく覗かせ、実は誠実という人物像を巧みに浮かび上がらせている。

そんなヒテが想いを寄せるのが、「Sweet Home －俺と世界の絶望－」の兄妹役で共演したコ・ミンシ扮するミョンヒ。彼女もまた他人との関係に一線を引いてしまう心に傷を負った女性だが、ヒテのストレートな愛情表現によって頑なだった心が徐々に解けていく。次第に表情が柔らかくなり、相手に心を許していく繊細な変化を、ナチュラルに表現して見せたミンシの演技も印象に残る。

お互いに想いを通わせていく一方、ヒテとミョンヒの前には、時代の波や家の事情など度重なる障壁が立ちはだかる。物語が進むにつれて、ヒテはふとした瞬間の虚ろな眼差しややりきれない表情を浮かべるように。ミョンヒとの逢瀬を重ねる中で、ドヒョンが全身で体現する"許されない恋"の切なさには、胸が締め付けられることだろう。

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