アコースティックコーナーでは、2008年に発表した日本オリジナルバラード曲で15年以上ぶりの歌唱となった「Rainy Night (Acoustic ver.)」と、ジュンスが「思い入れのある曲」と紹介したオフコースの名曲「言葉にできない(Acoustic ver.)」を披露。絶品...としか言いようのない深みのある歌声が胸に沁み渡る極上のパフォーマンスだった。
「1人でのコンサートはいつもチャレンジする気持ちと、僕を忘れずに見にきてくれるのか不安な気持ちを持ちながら準備します。毎回皆さんが来て笑顔になってくれるのは、当たり前のことではなく奇跡が続いていると思っています。そして、これからも頑張っていきたいと思える原動力をもらえます。そして日本でもミュージカルをやれるように頑張りたいです!」
完璧な日本語で最後の挨拶をした後、本編ラストの曲として披露したのが、2017年に発表したジュンスとイム・チャンジョンのデュエット曲「We were..」。スケール感のある桜のモニター映像を背負い、伸びのある圧倒的声量の歌声で公演を締めくくった。
前半・後半でガラッとステージの色を変え、2種類のライブを続けて見ているような贅沢な感覚が味わえた今回のコンサート。前半のミュージカルパートは作り込んだパフォーマンスで心酔させ、後半は素の飾らないジュンスをさらけ出す。
ジュンスのライブではお馴染みの「ジュンスタイム/ジーニータイム」(ディズニー映画『アラジン』の魔法使い・ジーニーにちなみ、歌やダンスなど、ジュンスが客席からのリクエストに応えるコーナー)では、ファンとの交流の時間もたっぷり用意。双方の心の近さを感じるトークの掛け合いに会場は何度爆笑に包まれたことか...。ファンの容赦ないツッコミやイジリにタジタジしつつも、巧みな日本語の返しで笑いへと昇華するジュンスのトークの腕もさすがだ。
アンコールでは、観客参加型のオリジナルの振り付けが楽しい楽曲「さくらんぼ」(大塚愛)で会場中が熱狂。ジュンス自ら超熱血の振り付け指導を経て、見事な一体感が拡がり、まさに大団円という言葉がぴったりのエンディングに。誰よりも楽しそうにステージを駆け回り、全力で踊るジュンスの姿が目に焼き付いた。
約3時間のライブを多彩な楽曲や演出で一瞬も飽きさせることなく走り切り、まさに"万能エンターティナー"の名を欲しいままにしたジュンス。「皆さんの応援と声援に応えられるように、これからも思いっきり激しく頑張ります!幸せでした!」という言葉を残して、全員の笑顔と幸福で充満したステージは幕を閉じた。
文=川倉由起子
【セットリスト】
01. 闇が広がる (Japanese ver.)/ミュージカル『エリザベート』より
02. 最後のダンス (Japanese ver.)/ミュージカル『エリザベート』より
03. Loving you keeps me alive (Japanese ver.)/ミュージカル『ドラキュラ』より
04. Life after life (Japanese ver.)/ミュージカル『ドラキュラ』より
05. ゲームの始まり (Japanese ver.)/ミュージカル『デスノート』より
06. デスノート/ミュージカル『デスノート』より
07. I'm ready/ミュージカル『デスノート』より
08. Set Me Free
09. Turn It Up
10. Rainy Night (Acoustic ver.)
11. ⾔葉にできない (Acoustic ver.)(原曲:オフコース)
12. We were..
13. F.L.P
14. Incredible
15. さくらんぼ(原曲:大塚愛)
公演情報
「2023 XIA The Best Ballad Spring Concert vol.3 In JAPAN」
開催日:2023年4月7日・8日・9日
※ライブレポートは4月9日公演の内容となります。
会場:横浜ぴあアリーナMM
KIM JUNSU JAPAN OFFICIAL SITE https://kimjunsu.jp/
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