顔の天才！？自身の理想を追求し続けるカン・ドンウォンの挑戦

ペ・ヨンジュンやイ・ビョンホンら韓流四天王と呼ばれる俳優たち。彼らに次いで次世代韓流スターとして日本で親しまれてきた俳優がカン・ドンウォンだ。身長186cmの抜群のスタイルに端正な顔立ちで、韓国では元祖"顔面の天才"とも言われていたほど。現在はハリウッド進出を間近に控えており、ビョンホンのように大成功を収めるハリウッド俳優になるのでは？と近年期待が高まっている。

2000年にスカウトをきっかけにモデルとして芸能界に入り、2003年に「威風堂々な彼女」で俳優デビューを飾ったドンウォン。翌年、転校生の女の子と、敵対する男子高校生2人の三角関係を描いた恋愛映画『オオカミの誘惑』(2004年)で、繊細で甘い魅力を持った男子高校生を演じ一気に大ブレイクした。ドンウォンがヒロインの傘に入り、手をひいて走るシーンは今でも韓国ドラマや映画でオマージュされることが多い名場面として知られている。

その後も『デュエリスト』(2005年)や『私たちの幸せな時間』(2006年)など、多彩なラブロマンス作品に出演しキャリアを確立。"南北スパイ同士の葛藤"という社会派な題材で名優ソン・ガンホと共演した『義兄弟 SECRET REUNION』(2010年)では、骨太な存在感を発揮しそのイメージを一新。第30回韓国映画評論家協会賞、主演男優賞を受賞し、このまま演技派俳優として名を馳せるのかと思いきや、この直後にひっそりと入隊を迎えることとなった。

約2年間の服務を終え、2014年のアクション映画『群盗』でスクリーン復帰。ドンウォンは圧政で民衆を苦しめる冷酷な武官という初の悪役にチャレンジし、卓越した剣術、そしてその美しすぎる容姿からハマり役だと大絶賛を受けた。

その後も、ソン・ヘギョと早老症の息子を抱える夫婦を演じた映画『世界で一番いとしい君へ』(2014年)や、除霊に詳しい神学生に扮したホラー映画『プリースト 悪魔を葬る者』(2015年)など、固定したイメージに縛られることなく、新境地を切り開いていった。

2016年には、その端正なルックスを活かして、前科9犯を重ねてきた"イケメン詐欺師"を演じた『華麗なるリベンジ』に出演。演技派ファン・ジョンミン演じる無実の罪で収監された熱血検事と刑務所内で取引し、絶対権力に立ち向かっていくバディもので、韓国では動員数970万人超という圧倒的な支持を集めた。

そして同年、実際の巨額詐欺事件をモチーフにした『MASTER／マスター』でイ・ビョンホンと共演を果たす。ドンウォンは役者人生初の刑事役に挑み、白熱のカーチェイスや勇ましく銃を構える姿を披露した。2018年には『ゴールデンスランバー』や『人狼』など日本でもおなじみの原作の映画化作品に出演し、その演技の幅を広げている。

振り返るとその出演作のほとんどが男社会を描く映画作品ばかり。ドンウォンは「興味のあるものを演じていたらこうなった」と、自身のフィルモグラフィーはあくまで結果だと公表している。また、映画の魅力についても「"これをやりたい"という明確な意思を俳優だけでなくスタッフも持ち、作業に没頭できること」と公言。早くから自身のスタイルを確立し、仕事に一直線なドンウォン。年齢を重ね、より渋さや男らしさを醸すドンウォンを、今後はどんな役柄で目にすることができるのか――非常に楽しみである。

文＝津金美雪

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