コン・ユに続いてカン・ドンウォンも体当たり演技!閉塞感を吹き飛ばす「新感染」の魅力

「新感染半島 ファイナル・ステージ」
「新感染半島 ファイナル・ステージ」

人間を凶暴化させる謎のウイルスが韓国各地で発生、感染者が紛れ込んだ高速鉄道の車内で起きた大パニックを描いた『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)。感染爆発後の半島は、一体どうなったのか...?気になる疑問を明らかにした続編で、9月18日(土)にWOWOWプライムにて放送される『新感染半島 ファイナル・ステージ』(2020年)は、"影の魅力"にあふれた主演のカン・ドンウォンと、大量ゾンビとの死闘が繰り広げられていく。

不気味なゾンビが集団となって雪崩のように押し寄せる描写が観客の度肝を抜いた前作の主演は、「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」(2016年)などの人気ドラマでも知られるコン・ユ。エンタメ性、ドラマ性が高く評価され、本国だけでなく世界160ヶ国以上でヒットを記録したインパクトは今なお忘れ難いものだ。

過去を背負うキャラクターを見事に演じきったカン・ドンウォン(「新感染半島 ファイナル・ステージ」)

(C)2020 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILMS.All Rights Reserved.

その続編とあって大注目された『新感染半島 ファイナル・ステージ』の舞台は、前作の4年後。ゾンビだらけとなった半島はどうなってしまったのか、きっと誰もが気になっていたはず。満を持して登場した本作では、前作を大ヒットさせたヨン・サンホ監督が再びメガホンをとり、容赦なく"アフター・パンデミック"の世界を描いている。

主人公となるのは、家族を守りきれず、香港へと亡命した元軍人のジョンソク(ドンウォン)。「逃げてきた」「守れなかった」という自責の念にかられていたジョンソクのもとに、大金を積んだトラックを探すため半島に戻り、3日以内に帰還するという仕事が舞い込んでくることから、物語がスタートする。ロックダウンされた半島に潜入した彼が目にしたのは、荒廃しきった故郷。乗り捨てられた車であふれた高速道路、陸に打ち上げられた船など、ウイルスが発生してから4年後...という設定がリアルかつ、おどろおどろしいものとして表現されている。

そこでジョンソクは、増殖したゾンビとこの世の地獄を楽しむ人間たちに遭遇する。全速力で襲ってくるゾンビの恐怖描写もパワーアップしており、雨のようにゾンビの大群が降り注ぐシーンも圧巻だ。ゾンビと人間、両者に追い詰められたジョンソクは、半島でサバイブしてきた母・ミンジョン(イ・ジョンヒョン)と2人の娘の家族に助けられるのだが、この娘の見せるカーチェイスが最高にクール。超絶なドライビングテクニックでバタバタとゾンビをなぎ倒しながらピンチを切り抜けていくさまは、興奮すること必至だ。

「新感染半島 ファイナル・ステージ」

(C)2020 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILMS.All Rights Reserved.

もちろん、ドラマ性の部分も見応えがある。とりわけ世捨て人のように生きていたジョンソクが、ミンジョンの一家と出会い変化していく様子は、エモいことこの上ない。ドンウォンが瞳の奥に悲しみをたたえながら、過去や影を背負ったジョンソクを見事に演じきっている。『オオカミの誘惑』(2004年)や『MASTER/マスター』(2016年)など、常に新境地を切り開いてきたドンウォンだが、サンホ監督は本作の彼の演技について「ドンウォンにしか演じられない役を作り上げた。アクションシーンでも、感情が溢れてくるようなキャラクターだ。彼の目から伝わってくる想いがあまりにも強烈で、ついつい引き込まれてしまう」と大絶賛。

是枝裕和監督が初めて手がける韓国映画『ブローカー(仮題)』にも出演が決定するなど、ますます日本でも注目を集めそうなドンウォンの魅力を目撃する、絶好の機会となるはず。またジョンソクや母娘たちが極限状態で希望の光を見出そうとしていく胸アツな展開は、今の時代に漂う閉塞感も吹き飛ばしてくれそうだ。

文=成田おり枝

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放送情報

新感染半島 ファイナル・ステージ
放送日時:2021年9月18日(土)13:00~
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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