キム・ウビンら勢いのある若手の存在感も引き立てる!悪に徹するイ・ビョンホンの凄み

「MASTER/マスター」
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(C) 2016 CJ E&M CORPORATION, ZIP CINEMA. ALL RIGHTS RESERVED

韓国ドラマ史の中でも最高レベル!との呼び声高い、豪華キャスティングが実現した「私たちのブルース」。4月から韓国で放送を開始する同作には、イ・ビョンホンをはじめ、キム・ウビン、シン・ミナ、ハン・ジミン、チャ・スンウォン...と、14人もの主役級キャストが集結。最近では「イカゲーム」への特別出演も注目を集めたイ・ビョンホンだが、そうした特別出演をのぞけば本格的なドラマ出演は「ミスター・サンシャイン」(2018年)以来4年ぶり。しかも、キム・ウビンの闘病後初となるドラマ出演とあって、高い注目を集めている。

そんなイ・ビョンホンとキム・ウビンは、2016年に映画『MASTER/マスター』で共演している。KBS Worldで4月1日(金)に放送される同作から、トップランナーとして韓国エンタテインメント界を走り続けるイ・ビョンホンに改めて注目したい。

イ・ビョンホンの極悪非道ぶりが圧巻!「MASTER/マスター」
イ・ビョンホンの極悪非道ぶりが圧巻!「MASTER/マスター」

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2000年代に吹き荒れた第1次韓流ブームのさなか、"韓流四天王"の1人として日本でも抜きん出た人気と知名度を誇っていたイ・ビョンホン。2009年に『G.I.ジョー』でハリウッドデビューを飾ると、その後も『REDリターンズ』(2013年)、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(2015年)、『マグニフィセント・セブン』(2016年)と、立て続けにビッグタイトルに名を連ね、アジア出身のハリウッドスターとして全世界に強烈な印象を与えた。

そうしたハリウッドでのキャリアを順調に重ねていた中で、韓国で勢いのあるカン・ドンウォン、キム・ウビンら若手と肩を並べる形で主演を果たしたのが、映画『MASTER/マスター』だ。

「MASTER/マスター」
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韓国犯罪史上最大の金融投資詐欺事件である実在の「チョ・ヒパル詐欺事件」に着想を得た本作は、『監視者たち』(2013年)のチョ・ウィソク監督がメガホンをとり、現代社会にはびこる巨大な悪に正義のメスを突き立てた意欲作で、ビョンホンはカリスマ詐欺師・チン会長を演じている。

悪徳な金融詐欺テクニックで巨富を築き、政官界までも牛耳るチン会長。彼を追う知能犯罪捜査官のキム刑事(カン・ドンウォン)、そしてチンの側近で天才ハッカーのパク(キム・ウビン)が命を懸けた駆け引きを繰り広げ、国境を越えたダイナミックな攻防戦へと突入していく。

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犯罪組織を束ねるカリスマとして君臨するチン会長は、これまで人当たりのよい笑顔と、論理的でありながら感情にも訴える巧妙な語り口で人心を掌握してきた。ねずみ講や慈善事業を隠れみのにしながら、多額の金をかすめ取ってきた大悪党だ。

そんなチン会長を、40代半ばで脂の乗り切ったビョンホンが貫録たっぷりに演じている。ロマンスグレーの髪色に、シャツの上からでもわかる鍛え上げられた胸板――そうした肉体的アプローチはもとより、人生経験が溢れ出た豊かな感情表現も見もの。冒頭、組織の創立記念イベントでスピーチするシーンでは、集まった大勢の観衆ひとひとりに語り掛けるように穏やかに、そして堂々と夢を語る姿には親しみすら覚える。

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だが裏では一転、冷酷非道な顔を覗かせる。その緩急はさすが"千の顔を持つ俳優"と言われたビョンホン。チン会長というキャラクターの中で、親しみやすさやカリスマだけでなく、ストーリーが進むにつれて焦りや怒り、恐怖といった多様な感情を溢れさせ、"ヴィラン"としての強烈な存在感を発揮している。特に、怒りを露わにしたときの凄みは、画面を制するほどの威圧感だ。

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画面の中に佇むだけで画が成り立つビョンホン――その貫録たるや、さすがのひと言だ。

真っ向から対峙するキム刑事扮するカン・ドンウォン、そして「相続者たち」(2013年)とは一変した様相で衝撃を与えたキム・ウビンと、三つ巴の死闘を繰り広げる2人の"マスター"も、相手にとって不足なし。悪に徹するビョンホンの凄みと共に、超一級の犯罪ワールドに酔いしれたい名作だ。

文=酒寄美智子

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放送情報

MASTER/マスター
放送日時:2022年4月1日(金)23:00~
チャンネル:KBS World
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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