コラム二スト・吉田潮が現代版シャーロック・ ホームズ「SHERLOCK シャーロック」を語る!

「SHERLOCK シャーロック」より
「SHERLOCK シャーロック」より

些末な調査依頼はスマホを駆使して秒殺解決。華麗なる事件簿はブログでお披露目。天才的頭脳にIT技術も兼備、現代版シャーロック・ホームズ&ジョン・ワトソンの推理奇譚である。1話90分に詰め込んだ珠玉の謎解きはスマートでスピーディー。

何といっても映画級の映像美で、視覚を心地よく刺激。特にシャーロックが記憶と推理で思考を研ぎ澄ます「精神の宮殿」シーンは圧巻だ。「話数が多い海外ドラマは疲れるから、映画しか見ない」という人にお薦め。1シーズン3話で全4シーズン、必ずやご満足いただけるはず。

そして、人物も実に魅力的だ。清くも正しくもないところが肝。ベネディクト・カンバーバッチが現代版シャーロックを演じる。「高機能社会不適応者」と自ら呼ぶほど厄介な性分だ。鋭い観察眼は人を不愉快にさせ、傷つける。回転の速い頭脳は良好な人間関係を確実に阻む。この孤独な天才に唯一寄り添うのが元軍医のワトソン(マーティン・フリーマン)だ。お人好しで惚れっぽく、恋多き男は数々の事件に巻き込まれる。散々な目に遭うが、シャーロックに対する情の深さは実に尊い。

魅力的な難敵・宿敵の罠と企みも見どころ

2人が借りているベーカー街221Bの大家・ハドソン夫人(ユーナ・スタッブス)は凄絶な過去を持つ割に、お茶目でキュート。シャーロックの兄・マイクロフト(マーク・ゲイティス)は英国政府関連の人間で、陰の権力者。兄弟仲は険悪だが、母親に頭が上がらないのは共通。

また、敵役も強烈なビジュアルで凶悪。悪意に翻弄されるシャーロックの姿も必見である。

よしだ・うしお●'72年生まれ。ドラマ好きのコラムニスト兼イラストレーター。週刊誌や新聞でテレビ・ドラマ評を執筆。時々テレビにコメンテーターとして出演。著書「くさらないイケメン図鑑」など著書多数。ネコ2匹と同居中。

文=吉田潮

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放送情報

SHERLOCK シャーロック
放送日時:2021年2月25日(木)20:00~
チャンネル:AXNミステリー
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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