ヒョンビン&ソン・イェジンが織りなす恋の行方に、多くのファンが熱狂したドラマ「愛の不時着」(2019年)。脇を固めるサブキャストの存在も長く愛される理由の1つだが、中でも人気を集めたのが、"クダンカップル"ことク・スンジュン&ソ・ダンのラブライン。最初はお互いの利益のために協力し合っているだけの2人が、少しずつ距離を近づけていくにしたがって、スンジュンを演じたキム・ジョンヒョンの知名度と人気も急上昇。
ハンサムなルックスに、軍服や地味な衣装の多い北朝鮮でのシーンで目を引くファッショナブルなスタイル、そして詐欺師でありながら心優しき一面を持つスンジュンを好演するジョンヒョンの姿に多くの女性がときめいたはずだ。そんな余韻がまだ冷めやらぬ中、韓国で「愛の不時着」と並ぶほどの高視聴率17.4%を叩き出した最新出演作「哲仁王后(原題)」が、衛星劇場で6月27日(日)より第1話先行放送(7月16日よりレギュラー放送)される。
ロングコートをスマートに着こなしていたスンジュン役とは一転、今回ジョンヒョンが演じるのは朝鮮時代の第25代王・哲宗。本作は、哲宗の王妃キム・ソヨン(シン・ヘソン)と現代に生きる血気盛んな大統領府のシェフ、ボンファン(チェ・ジニョク)の魂が、ひょんなことから入れ替わってしまったことから物語が始まるフュージョン・コメディ時代劇だ。
自信家で虚勢を張っていたボンファンの魂が宿った王妃ソヨンの態度や言動は、現代に生きるチャラい男性そのもの。そしてカルチャーショックを起こすのが、ボンファンではなく、哲宗をはじめとする朝鮮時代の人々という点が、今までの時代劇のタイムスリップものにはない面白さだ。また、ボンファンがシェフだったこともあり、宮廷の台所"水剌間"でソヨンが巧みに腕を振るう姿は爆笑必至である。
最大の問題は、男性のボンファンの魂が、哲宗の王妃に入り込んでしまったこと。嫌々ながらも哲宗と婚礼の儀をこなし安堵したのも束の間、今度は哲宗との初夜を迎えることになる。
男であることを哲宗に告白してみたり、お酒をあおるコールをしたり、ゲームを勧めてみたりと、初夜を回避しようと懸命な王妃に対し、ロウソクの灯りを吹き消そうとする哲宗――そんなテンポの良いコミカルなシーンの応酬にも惹き付けられる。そして何よりも品位を失い、奇妙な言動を繰り返す王妃と、それすらも変わった魅力として真顔で受け止める哲宗のケミストリーが最高に面白い。
これまでにない振り切ったコメディ演技や、ここぞという時には王としての威厳を見せる緩急のある芝居を見せ、今作でひと皮むけた印象のあるジョンヒョン。"クダンカップル"にも引けを取らないジョンヒョン&ヘソンの抜群のコンビネーションをぜひ味わってみて欲しい。
文=津金美雪
放送情報
哲仁王后(チョルインワンフ)(原題) 第1話先行放送
放送日時:2021年6月27日(日)21:30~
※レギュラー放送は7月16日(金)より毎週(金)23:00~(2話連続放送)
チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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