正統派路線からのイメチェンが反響を呼ぶソン・スンホン、「喜怒哀楽」が多彩な死神役

「ブラック~恋する死神~<カット版>」
「ブラック~恋する死神~<カット版>」

先ごろ近未来SF「配達人~週末の救世主~」への出演が発表されたソン・スンホン。2021年上半期は韓国ドラマ史上に残るスリラーシリーズ「ボイス4」の出演が話題を集めたが、チョ・ウィソク監督と2002年以来の再タッグとなる「配達人~週末の救世主~」では悪役に。正義を追い求める敏腕刑事から一転、世界に緊張をもたらす悪役を演じるとあって、その動向が早くも注目を集めている。

スンホンといえば、その完璧なビジュアルを生かした王道のロマンス作品のイメージが強い。しかし近年は、正統派イケメン路線から大きく振り切った「ボイス4」をはじめ、落ちぶれた元国会議員を演じた「偉大なショー~恋も公約も守ります!」(2019年)、恋愛下手な精神科医役に扮した「夕食、一緒に食べませんか?」(2020年)...と、パブリックイメージとは異なるキャラが好評だ。そして、"死神に体を乗っ取られた男"という、韓国ドラマでもかなりの特殊ジャンルに挑戦したのが「ブラック~恋する死神~」(2017年)だ。

死神に扮したソン・スンホン(「ブラック~恋する死神~<カット版>」)
死神に扮したソン・スンホン(「ブラック~恋する死神~<カット版>」)

(C)STUDIO DRAGON CORPORATION

「ブラック~恋する死神~」は、一人の女性を愛した死神が天界のルールを破り、人々の命を助けようと奮闘するミステリーラブロマンス。事件に巻き込まれ銃で撃たれた新米刑事・ムガンと、その体に寄生する死神・ブラックの一人二役をソン・スンホンが演じている。

ムガンは奇跡的に息を吹き返すと過去の記憶が一切なく、以前とは別人のような姿に。「何とぼけたことを言ってるんだ。消えろ!」と暴言を言い放ち、純粋で気弱なムガンとは一変した冷血な姿が周囲を驚かせる。全身黒の衣装に身を包んだ冷酷非情なブラックはシビれるほどクールで、狂気を宿したような演技も、見る側の胸中をざわつかせる。撮影中は、本人のアイデアで追加したアドリブのセリフも多かったという。

「ブラック~恋する死神~<カット版>」
「ブラック~恋する死神~<カット版>」

(C)STUDIO DRAGON CORPORATION

正反対の魅力を持つ二役を演じるにあたって、スンホンはカリスマ性溢れるアクションはもちろん、コミカルな振る舞いも随所で披露している。人間界と天界――人の死が介在するシリアスかつミステリアスな展開にぐいぐいと引き込まれるが、スンホンならではのロマンス演技も欠かせない。人々の死の予見できる女性・ハラム(Ara)との切ない恋模様では、"恋愛ドラマの王子"たる存在感を見せつけ、その本領を発揮している。

「ブラック~恋する死神~<カット版>」
「ブラック~恋する死神~<カット版>」

(C)STUDIO DRAGON CORPORATION

パク・ソジュン、V(BTS)らと共演した「花郎<ファラン>」(2017年)や、"コ・アラ名義"で出演している「ヘチ 王座への道」(2019年)など、多くの作品で注目を集める人気女優・Araを相手に、極上の胸キュンを仕掛けているスンホン。ハラムの口元に付いたスープを指でぬぐい、アイスクリームを買って10代のように初々しい遊園地デートを楽しんだりと、緊迫感をほぐすかのように差し込まれる、甘いシーンは必見だ。

「ブラック~恋する死神~<カット版>」
「ブラック~恋する死神~<カット版>」

(C)STUDIO DRAGON CORPORATION

「ブラック~恋する死神~<カット版>」
「ブラック~恋する死神~<カット版>」

(C)STUDIO DRAGON CORPORATION

実年齢で14歳差とは思えないAraとの切ないロマンスを軸にしながらも、刑事と死神という奇妙な二役を通して、喜怒哀楽の表情を見せているスンホン。多くの試みに挑戦し、その後の振り切ったイメージチェンジにも大きな影響を与えている本作に、どっぷり浸ってみてはいかがだろうか。

「ブラック~恋する死神~<カット版>」
「ブラック~恋する死神~<カット版>」

(C)STUDIO DRAGON CORPORATION

文=川倉由起子

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放送情報

ブラック~恋する死神~<カット版>
放送日時:2022年3月26日(土)18:00~
※毎週(土)18:00~/20:00~、毎週(日)16:00~/18:00~/20:00~
チャンネル:アジアドラマチックTV (アジドラ)
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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