除隊後のカムバックに期待！パク・ボゴムがブレイク前に見せていたダークサイド

2020年8月より兵役に就いていたパク・ボゴムが、今年2月に除隊した。コロナ禍ゆえに事前告知もなく静かにその日を迎えたものの、予定していた4月末より2ヶ月早い除隊に喜んだファンも多いはず。人気スターの場合、兵役後の動向は注目を集めるのが常ではあるが、"国民の彼氏"と呼ばれる人気ぶりを博していたボゴムも今年は数えで30歳――カムバックへの期待は高まる一方だ。

歌手としてのキャリアも順調で、抜群の好感度を誇るボゴムだが、本格ブレイク前に、ダークな表情を覗かせていたドラマが「君を憶えてる」(2015年)だ。4月28日(木)より女性チャンネル♪LaLa TVにて放送される同作で、彼はクセ者感漂う冷徹な弁護士役を演じている。

2011年のデビュー以降、爽やかな青春ストーリーやラブロマンスで注目を集めてきたボゴム。「恋のスケッチ～応答せよ1988～」(2015年)で天才囲碁棋士役を演じて話題を呼ぶと、初の時代劇「雲が描いた月明り」のイケメン世子(皇太子)イ・ヨン役で大ブレイク。韓国で最高視聴率25.3％を突破したこの作品で、ツンデレだけどヒロインのピンチには駆けつける世子の姿にキュンキュンする女性視聴者が続出し、日本でも"世子様ブーム"を巻き起こした。

「ボーイフレンド」(2018年)では、人気女優ソン・ヘギョを相手に、キュートな年下男子ぶりを見せてファンを魅了。夢と現実のはざまで揺れ動く青年を爽やかに演じた入隊前最後のドラマ「青春の記録」(2020年)も印象深い。

また、国民的音楽番組「ミュージックバンク」のMCを務めていたことでも知られるが、 "韓国のゴールデングローブ賞"とも言われる「百想(ペクサン)芸術大賞」のMCにも抜擢。2018年から2020年の入隊直前まで3年連続で起用されたことからも、そのトーク力の巧みさと、韓国国内での圧倒的な人気ぶりが窺える。

こうした"国民の彼氏"ぶりとはギャップのあるキャラクターに挑んだ作品が、「君を憶えてる」だ。過去の記憶を失った天才犯罪プロファイラー、ヒョン(ソ・イングク)が特殊犯罪捜査チームの熱血女刑事、ジアン(チャン・ナラ)と共にサイコパスに立ち向かっていくラブサスペンスで、ボゴムはヒョンたちと敵対する謎めいた弁護士チョン・ソノを演じた。

第3話で本格的な登場を果たすチョン・ソノ弁護士。相手の心理を読み解いたヒョンが、取り調べで容疑者を興奮させ、自白寸前に追い込んだまさにその瞬間――絶妙のタイミングで姿を現し、「そこまで」と容疑者の暴走をスマートに食い止めるソノ。ヒョンの手柄をぶち壊したうえ、相手に向ける冷ややかで含みを持たせた眼差しが印象的で、ラブストーリーなどで屈託ない笑顔を見せるボゴムとの、ギャップに驚かされた人も多いはずだ。

その後も、意図の読めない行動でヒョン＆ジアンの行く先を阻むソノ。パリッと着こなしたビジネススーツ姿も、ソノの場合、どう見ても"カッコいいスーツ男子"ではなく"隙を見せない敵役"といった趣きで、当時20代前半でこれほど怪しさ全開の人物像を作り出すボゴムの演技力に驚かされる。ドラマ後半ではヒョンとの本当の関係が明かされ、ストーリーにさらに大きく関わってくることになるのだが、それは本編でのお楽しみだ。

ちなみに「君を憶えてる」には、"モンスター"と呼ばれるサイコパスな凶悪犯・ジュニョン役でEXOのD.O.(ディオ)ことド・ギョンスが出演している。ゾクゾクするほどの妖しさを放つジュニョンのキャラクター性も見どころの1つだ。

除隊直前には海軍の訓練兵に向けたプログラムで教官を務めるなど、真摯に兵役義務に取り組んだ姿が度々報じられたボゴム。「君を憶えてる」で共演したD.O.も2021年1月に除隊後、映画『The Moon』への出演が大いに話題を集めただけに、ボゴムの復帰作にも期待は高まるばかり。兵役期間に社会経験を積んだボゴムが、カムバック後、どんな魅力を見せてくれるのか、興味は尽きない。

文＝酒寄美智子

この記事の全ての画像を見る