除隊後の活動にも注目!パク・ボゴム、入隊前にコン・ユとの共演で演じた対極の宿命

「SEOBOK/ソボク」
「SEOBOK/ソボク」

愛らしい顔立ちと確かな演技力で日本でも高い人気を誇る俳優のパク・ボゴム。2020年8月の入隊後、今年2月に実質的な除隊となったことで、今後の活動にも注目が集まっている。そんなボゴムが兵役直前に出演し、実力派俳優のコン・ユとダブル主演を務めた映画『SEOBOK/ソボク』は、彼の俳優としての実力、そしてコン・ユとの芝居合戦をたっぷりと堪能できるSFサスペンスアクションとしてオススメしたい1作だ。

本作は、2012年公開当時に恋愛映画として韓国で歴代最高興行を達成した『建築学概論』で高い評価を得たイ・ヨンジュの9年ぶりの監督作だ。余命宣告を受け、死を前にして明日の生を渇望する元情報局エージェントのギホン(ユ)。そんな彼に、国家の極秘プロジェクトで誕生した人類初のクローン人間ソボク(ボゴム)の護衛任務が舞い込み、謎の集団の襲撃を受けながら2人が逃避行する様を描く。

パク・ボゴムがクローンという難役にトライした「SEOBOK/ソボク」
パク・ボゴムがクローンという難役にトライした「SEOBOK/ソボク」

(C) 2020 CJ ENM CORPORATION, STUDIO101 ALL RIGHTS RESERVED

"死ぬことのない存在のクローン"と"死を目前にした男"という対比が重要となる作品だが、コン・ユとボゴムが鮮やかにキャラクターの葛藤や心の旅路を表現し、CGを駆使したSFサスペンスアクションとしてだけでなく、人間ドラマとしても見応えのある1作として完成した。

コン・ユは持ち前の穏やかなオーラを封印。過去のトラウマにとらわれ、目前に迫った死に怯える男のギリギリの精神状態を表現するために大幅な減量にも挑んだそうで、その徹底した役作りはさすがの一言。げっそりとやつれた表情からも苦しみが伝わってくるなど、見事にギホンの鋭さと影を体現している。

一方のボゴムは永遠の命と特別なパワーを持つ人類初のクローンという難役にトライ。狭い実験室を飛び出し、初めて外の世界を知っていくソボクの天真爛漫な表情は、胸がキュンとなるほどに可愛らしい。それでいて自身を狙う勢力に向けて得体の知れないパワーを使う場面では、ゾクゾクとするような恐ろしい目つきをしてみせる。ドラマでは大活躍のボゴムだったが、映画は『コインロッカーの女』(2015年)以来5年ぶりのスクリーン復帰作で、すばらしい存在感を発揮している。

「SEOBOK/ソボク」
「SEOBOK/ソボク」

(C) 2020 CJ ENM CORPORATION, STUDIO101 ALL RIGHTS RESERVED

対極にある2人が当初はお互いを警戒しながらも、次第に心を通わせていく過程が大きな見どころだ。逃避行中に2人でカップ麺を食べる場面では、初めての食べ物にソボクは興味津々。3つ食べてもまだ足りず、上目づかいでギホンにおかわりを要求する。このソボクの目がなんとも愛らしく、ギホンも思わずもう1つ作ってあげたくなってしまうほど。

また2人が"人はなぜ生きるのか、なぜ死ぬのか"について海辺で語り合う一幕は、胸が熱くなること間違いなしの名シーン。お互いの存在によって自分の心を向き合っていく彼らが、いつしか兄弟のような絆を育んでいく姿は、この世界の美しさを象徴するかのような瞬間となっている。

無表情にも見えた冒頭から、相手に自分をさらけ出して涙をあふれさせるギホンとソボク。コン・ユとパク・ボゴムの熱演は息を呑むようなシーンの連続。彼らの巻き起こす演技の化学反応によって観客にも人間にとって永遠のテーマである生死について考えさせる力を持つ作品となっている。

文=成田おり枝

この記事の全ての画像を見る

放送情報

SEOBOK/ソボク
放送日時:2022年4月23日(土)22:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

関連記事

記事の画像

記事に関するワード

関連人物