43歳を迎えるコン・ユ、影を感じさせるシリアス路線が高評価を得たターニングポイント

「サスペクト 哀しき容疑者」
「サスペクト 哀しき容疑者」

7月10日(日)に43歳の誕生日を迎えるコン・ユ。韓国を代表する俳優の1人である彼は、40代を迎えても人気は衰え知らずで、「イカゲーム」(2021年)でのミステリアスな"めんこ男"役で鮮烈な印象を残したほか、ペ・ドゥナと共演したSFドラマ「静かなる海」では月面探査隊の隊長に扮し、シニカルながら正義感の強いキャラクターに命を吹き込んだ。

コン・ユが複雑な胸中を巧みに体現した「SEOBOK/ソボク」
コン・ユが複雑な胸中を巧みに体現した「SEOBOK/ソボク」

(C) 2020 CJ ENM CORPORATION, STUDIO101 ALL RIGHTS RESERVED

7月7日(木)にKNTVで放送されるクローンを題材としたSF映画『SEOBOK/ソボク』もまた40代での代表作のひとつだ。本作ではパク・ボゴム演じる⼈類初のクローン・ソボクを護衛する任務を押し付けられた元情報局エージェント役で出演。ハードなアクションに挑んだ一方で、思わぬ陰謀に巻き込まれた戸惑い、余命宣告を受けてやつれた男の哀愁、ソボクの境遇に次第に心を動かされていく繊細さ――そうした複雑な胸中を巧みに体現してみせた。

「SEOBOK/ソボク」
「SEOBOK/ソボク」

(C) 2020 CJ ENM CORPORATION, STUDIO101 ALL RIGHTS RESERVED

彼を一躍スターダムへと押し上げた「コーヒープリンス1号店」(2007年)など、もともとはラブコメ作品でブレイクしたコン・ユだが、兵役を経て出演した2011年の『トガニ 幼き瞳の告白』以降、映画作品を中心に、"どこか影を帯びた男"といったシリアス路線へとガラリと印象を変えていく。

そのイメージが前面に押し出されている作品が、7月12日(火)にオンエアとなる『サスペクト 哀しき容疑者』だ。本作で演じたのは、愛する妻子の命を奪い韓国へと逃げのびた犯人に対し、復讐を誓う元北朝鮮特殊部隊のエリート工作員のチ・ドンチョル。

「サスペクト 哀しき容疑者」
「サスペクト 哀しき容疑者」

(C) 2013 SHOWBOX/MEDIAPL EX AND GREEN FISH ALL RIGHTS RESERVED.

「サスペクト 哀しき容疑者」
「サスペクト 哀しき容疑者」

(C) 2013 SHOWBOX/MEDIAPL EX AND GREEN FISH ALL RIGHTS RESERVED.

都会の片隅でひっそりと暮らし、運転代行を生業としながら犯人を追跡していたところ、唯一親身になってくれていた会長の殺害現場に遭遇してしまう。その直後から、追跡者だったはずのドンチョルは一転、会長殺しの"容疑者"として当局から追われる存在となり、より壮絶な戦いに身を投じていく...という孤独な役どころだ。

「サスペクト 哀しき容疑者」
「サスペクト 哀しき容疑者」

(C) 2013 SHOWBOX/MEDIAPL EX AND GREEN FISH ALL RIGHTS RESERVED.

本作でコン・ユは、徹底的な肉体改造で築き上げた筋肉美に加え、ほぼスタントダブルなしでハードなアクションに挑んでおり、華麗な銃さばき、軍隊仕込みの近接格闘、20メートル以上ある高さから漢江へのダイブ...など、元特殊部隊の工作員という役どころを説得力抜群に演じている。

また、そうしたアクションでの肉体表現だけでなく、妻子を失った男の悲哀を感じさせる虚な表情や、復讐に取り憑かれた鬼のような顔つきなど、ドンチョルが歩んできた苛烈な道のりが窺える感情表現も印象深く、心を掴まれる。

「新感染 ファイナル・エクスプレス」
「新感染 ファイナル・エクスプレス」

(C) 2016 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILM. All Rights Reserved.

「新感染 ファイナル・エクスプレス」
「新感染 ファイナル・エクスプレス」

(C) 2016 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILM. All Rights Reserved.

一方、人間臭いクズな一面を覗かせる新境地となったのが、7月14日(木)に放送される主演作『新感染 ファイナル・エクスプレス』だ。謎の感染爆発によって市民が暴徒化したソウルから釜山へと行く高速鉄道内でのパニックを描いた本作。演じたのは、凶暴化した客から娘を守ろうとするエリートサラリーマンのソグだ。

はじめは娘のためなら他の生存者をぞんざいに扱う自己中心的だった男が、徐々に正義に目覚めていく様子をエモーショナルに表現。不格好ながらも必死にゾンビ化した乗客に立ち向かい、自己犠牲な精神を帯びていくソグがクライマックスに見せるとある表情は感涙ものだ。

「新感染 ファイナル・エクスプレス」
「新感染 ファイナル・エクスプレス」

(C) 2016 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILM. All Rights Reserved.

30代後半に、"視聴率の女王"といわれる脚本家のキム・ウンスクから、5年もの間ラブコールを受け続けて実現した代表作「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」(2016年)に出演し、再び大ブレイクを果たしたことは周知の通り。ファンを魅了するロマンス演技の一方で、役者として幅を広げることになった30代の出演映画の数々こそ、今の充実したキャリアへとつながっているのだろう。

文=HOMINIS編集部

この記事の全ての画像を見る

放送情報

SEOBOK/ソボク
放送日時:2022年7月7日(木)20:00~
サスペクト 哀しき容疑者
放送日時:2022年7月12日(火)20:00~
新感染 ファイナル・エクスプレス
放送日時:2022年7月14日(木)20:00~
チャンネル:スカチャン1(KNTV801)、KNTV
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

関連記事

記事の画像

記事に関するワード

関連人物