F4としてアジアを席巻した台湾版「花より男子」から約20年...40代となったヴィック・チョウの新機軸

物語の舞台は、これまであまり映像化されてこなかった11世紀の中国・北宋時代。実在した章献明粛(しょうけんめいしゅく)皇后であり、平民から皇后に上り詰めた女性・劉娥(りゅうが)の激動の人生を主軸にしながら、新たな視点で北宋時代の宮廷絵巻を描き出した全61話の超大作だ。ヴィックは劉娥の夫となる北宋の第3代皇帝・真宗を演じている。

真宗の2人目の皇后となる劉娥(章献明粛皇后)は、侍女の子を奪って自分の子とし、垂簾聴政を行ったことなどから、漢の呂后、唐の武則天と並び、"三大女主(女の君主)"とされるなど、批判的な描き方をされることが多かった。そうした劉娥の人物像を、愛に生き、どんな困難にもくじけないひた向きな女性として再構築した本作。平民時代は泥にまみれ、過酷な日々を送っていた劉娥に自信を与え、大きな愛情で守り通そうとしたのが、ヴィック演じる真宗だ。

劉娥との出会いは、真宗が皇太子になる前の襄王だった頃。早くから名君としての器量を発揮したとされている真宗だが、隣国・遼と平和条約"澶淵の盟(せんえんのめい)"を結び、百数十年にわたる平和の礎を築いた皇帝としても知られている。物語の前半では、その澶淵の盟が結ばれるまでの過程もしっかりと描かれており、北宋時代の見識を深める上でも興味深いエピソードが満載だ。

この記事の全ての画像を見る